2002 Fiscal Year Annual Research Report
アコースティックコンプレッサーの開発および試作評価
Project/Area Number |
12555045
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Research Institution | SAITAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
川橋 正昭 埼玉大学, 工学部, 教授 (70008853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古庄 和宏 (株)ダイキン, 空調技術研究所, 研究員
塩崎 孝壽 埼玉大学, 工学部, 助手 (40008933)
平原 裕行 埼玉大学, 工学部, 助教授 (20201733)
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Keywords | 有限振幅波動 / 非線形音波 / アコースティックコンプレッサ / 音響冷媒圧縮機 / ソニックコンプレッサ |
Research Abstract |
環境問題を考慮した脱フロン次世代冷凍機用の圧縮機として,アコースティックコンプレッサーの実用化に向けて、前年度までに得られた音響管形状による管内有限振幅定在波現象の基礎的検討と,実機動作条件下における圧縮機内波動現象より運転条件変化に対する応答の解析、および同一条件下での実験的検証結果に基づき、アコースティックコンプレッサーの試作に向けての問題点の解析,試作及び各種共振管形状,供試気体に対する性能評価がなされた。 実用化への残されている問題として,ショックレス共振を実現する理論的根拠を明らかにするための解析では,従来の解析法に断面積変化の項を加えて改良し,管内共振点近傍の波動現象から,管の形状による周波数特性の変化を解析的に検討した。アコースティックコンプレッサーの試作では,用いられる各種共振管内波動現象について,さらにその詳細を数値解析により検討し,衝撃波の発生限界,閉端部変動圧力振幅,閉端での圧縮比(最大圧力/最小圧力)等を定量的に明らかにした。これらより,(1)実験で検証可能なピストン加速度範囲では管形状によらずほぼ断面積比6程度が衝撃波発生限界であること,(2)余弦関数状縮小管以外では共振点近傍の周波数特性にハードニングと呼ばれる現象が現れ,高ピストン加速度状態で周波数特性にヒステリシスが現れること,(3)圧力変動の平均値が管形状に依存し,得られる圧縮比が異なること,などを明らかにした。 新たに開発された高周波数応答吸入・吐出バルブを組み込んで試作されたアコースティックコンプレッサーの性能評価では,断面積縮小関数の特徴的傾向を有する3種類の形状の管内波動現象について,それぞれの共振特性が詳細に調べられた。それらの結果に基づき,圧縮機としての性能評価試験が行われた。具体的には,管形状による吐出流量,到達圧力,共振安定性などが調べられた結果,余弦関数状縮小管が音響圧縮機共振管として最も優れていることが明らかにされた。
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[Publications] 川橋正昭, Hossain Md A., 小塚浩二, 平原裕行: "断面積が変化する軸対称閉管内の有限振幅定在波"日本機械学会論文集(B). Vol.68, No.669. 1352-1359 (2002)
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[Publications] 川橋正昭, Hossain Md A., 平原裕行: "断面積変化軸対称管内気柱のショックレス共振"数理科学会論文集. Vol.3, No.1. 3-8 (2002)
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[Publications] Hossain, A., Kawahasi, M., Hirahara, H.: "Finite Amplitude Standing Wave in a Resonator for Acoustic Compressor"Proceedings of 5th JSME-KSME Joint Fluid Engineering Conference. 1-6 (2002)
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[Publications] 永喜多知義, Hossain, Md A., 川橋正昭, 平原裕行: "音響圧縮機用各種共振管内波動現象"日本機械学会2002年度年次大会講演資料集 Vol.III. 153-154 (2002)