2000 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和と長期隔離のための実効型CO_2海洋隔離技術の開発
Project/Area Number |
12555055
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平井 秀一郎 東京工業大学, 炭素循環素材研究センター, 教授 (10173204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末包 哲也 東京工業大学, 炭素循環素材研究センター, 助教授 (30262314)
岡崎 健 東京工業大学, 工学部, 教授 (20124729)
大隅 多加志 電力中央研究所, 我孫子研究所・環境化学部, 上席研究員
津島 将司 東京工業大学, 工学部, 助手 (30323794)
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Keywords | 地球温暖化問題 / ハイドルート / MRI |
Research Abstract |
大気中のCO_2濃度の増加を抑制するために,火力発電所などの大量発生源から回収したCO_2を海洋に隔離する方策は,CO_2を注入・溶解させる方法によりいかに酸性化の程度を低減させ,生物影響を無視できるほど小さくすることができるかが実用化されるポイントとなる.このため,船舶に吊るした長さ1500m程度のパイプがらCO_2液泡群を海洋中層に放出させて溶解させる方法は,CO_2の放出点を移動させることが可能なため,CO_2が希釈され海水の酸性化の程度が小さくなり,もっとも生物影響の小さい方法の1つと考えられている.しかし,この方法は,船舶から吊るした長さ1500m程度のパイプから放出されたCO_2液泡群が浮力により上昇する過程において溶解させるため,溶解したCO_2は海の深度500-1500mの深さに分布し,この程度の深度では20-50年程度で再びCO_2は大気に放出されると考えられている. もし,CO_2液泡群を周囲海水よりも重たくして,放出、点よりも下降させながら溶解することが可能になれば,海の深いところに長期にわたり大気から隔離することが可能になるとともに,海の深さは平均して4000m程度あることから溶解するのに長い距離をかせぐことができるため,CO_2を薄くすなわち酸性化の程度を小さくして溶解させることができるようになり,より進んだ方法になると考えられる. 本研究は,CO_2液泡群を放出する直前にCO_2液泡内に水を噴霧することにより水と液体CO_2が高圧下で反応し生成されるハイドレート微粒子をCO_2液泡内に生成させ,ハイドレートの密度が大きいことを利用してCO_2液泡を海洋中で下降させて溶解させることにより海洋の深層にCO_2を長期にわたり隔離させ,なおかつCO_2液泡の溶解に要する移動距離が大きいことを利用して薄くCO_2を溶解させ,生物影響が極めて小さい新しい環境調和型のCO_2の深海における超希釈溶解技術を開発することを目的としている.磁気共鳴イメージング装置を用いてハイドレートの微粒子が生成される速度の計測を行い,CO_2ハイドレートが膜厚方向に成長する速度を実測した.これにより,CO_2液泡の中に水を微粒化させて噴出することにより生成するハイドレート微粒子の生成速度を明らかにした.
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