2001 Fiscal Year Annual Research Report
磁気シーソー原理に基づく磁気ダンパの開発設計に関する研究
Project/Area Number |
12555065
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
鈴木 浩平 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40087185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 一樹 荏原製作所, 技術研究所, (研究職)課長
砂子田 勝昭 三和テッキ株式会社, 技術本部・研究担当部長
三森 友彦 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60087187)
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Keywords | 磁気ダンパ / 制振装置 / ダンピング / 磁気シーソー原理 / リニア機構 |
Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 1.本研究で提案する新しい磁気ダンパの特徴として (1)導体全体が磁気変動の影響を受け易いようにダンパの形状と材質を選択・構成し、効率良く渦電気を得ることができる。 (2)磁気と導体の配置を、差動的な磁気配分が得られるように構成し、大きな磁束変化を得ることができる。 の2点を明らかにした。 2.永久磁石の設計法に使われる「パーミアンス」の概念を導入し、減衰容量と磁束配分について、数学モデルを構築した。さらに、この数学モデルによりダンパ減衰容量の周波数特性を求め、片振幅を変えた場合の減衰容量が周波数領域により最適な値を取り得ることなどを明確に示した。 3.前年度設計した3種のリニア機構とガイドを設けた磁気ダンパを試作した。また、これらを用いた加振実験に先立ち、ダンパの基本特性を把握する。単一の磁極のみの「基本型ダンパ」を製作した。 4.「基本型ダンパ」をもちいて正弦波入力の加振実験を行い、その結果得られた減衰容量の特性がほぼ2で得られた数値解析の結果と対応することを明らかにした。 5.ギャップ幅の異なる3種の「応用型ダンパ」についても正弦波加振実験を行った。その結果、ヨークの積層数、ヨークと磁極の相対的位置関係及びギャップ幅によってダンパの容量の周波数依存特性が変動することが明らかになった。 以上のように、本研究は初年度当初の予想を上回る成果が得られ、本年度でほぼ基本的なダンパの特性を把握し得ることができた。最終年度は、ここ迄の成果をまとめると共に、さらに実用化に向けての課題、他種ダンパとの比較などを進める予定である。
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[Publications] 鈴木浩平, 村上 力: "簡易型磁気シーソーダンパの基礎実験"日本機械学会・第7回「運動と振動の制御」シンポ論文集. No.206. 198-199 (2001)
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[Publications] 鈴木浩平, 砂子田勝昭ほか: "スライド型磁気シーソーダンパの実験装置"第13回「電磁力のダイナミクス」シンポジウム講演論文集. No.104. 37-40 (2001)
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[Publications] 鈴木浩平, 砂子田勝昭ほか: "スライド型磁気シーソーダンパの実験"日本機械学会、Dynamics & Desiugn conf.講演論文集. No.642(CD-ROM). absty.202. (2001)