2000 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ダイヤモンドAFMプローブを用いた多機能ナノ計測一体型超微細加工システム
Project/Area Number |
12555067
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
牧野 英司 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70109495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇山 茂 セイコーインスツルメンツ(株), 科学機器事業部, 係長
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / プローブ / ダイヤモンド薄膜 / 圧電薄膜 / ナノ計測 / 超微細加工 |
Research Abstract |
ダイヤモンド薄膜製のAFM用計測・加工プローブを作製し、その性能評価を行った。ダイヤモンド薄膜をプローブ形状にするために選択成長法によるパターン形成法を検討した。シリコン基板上の熱酸化膜パターンをマスクとし、ダイヤモンド微粉末による傷つけ処理を適用することによって厚さ5μmのプローブ形状を設計どおりに形成する工程を確立した。併せて、プローブ先端のチップをモールド法によってプローブと一体で形成する方法を確立した。形成したダイヤモンド薄膜製AFMプローブについて、実際にAFM計測が市販の窒化シリコンチップと同様に行えることを確認した。また、このときの耐摩耗性の評価を行い、窒化シリコンチップでは計測開始とともに摩耗が進行するのに対して、ダイヤモンドチップでは試験した測定距離50cmの範囲では摩耗が認められなかった。 上記のようにして形成したダイヤモンドAFMプローブ上に圧電薄膜による変位センサと加工アクチュエータを搭載することを目的として、圧電薄膜の形成の検討を行った。最初に、圧電薄膜を自由振動させたときの変位と発生電荷量の関係から圧電定数を決定する方法を確立した。さらに、ダイヤモンドプローブ上の圧電薄膜による変位センサおよび加工アクチュエータとしての性能を理論的に解析し、圧電定数が35pC/N以上のときに目標である変位分解能0.5nm以下、加工用発生力50μNを達成できることを明らかにした。PZT圧電薄膜の形成実験を行い、室温でスパッタリングし、温度500℃以上、昇温速度10℃/sで高速アニーリングすることによってペロブスカイト組織が得られ高い圧電定数が得られることを明らかにした。さらに、下地基板となるダイヤモンド薄膜への損傷なしにPZT薄膜を形成するという観点から、アニーリングが窒素雰囲気中でも一般的に言われている酸素雰囲気中と同様の結果が得られることを明らかにした。
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