2000 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ蛋白質チップのメカノケミカル反応を利用したパイオセンサーの開発
Project/Area Number |
12555075
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山形 豊 理化学研究所, 素形材工学研究室, 研究員 (70261203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 浩三 エス・ティ・リサーチ(株), 代表取締役(研究職)
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Keywords | マイクロシステム / プロテオーム / 微少力センサー / マイクロフローシステム |
Research Abstract |
平成12年度においては以下の項目について研究・開発を行った。 (1)メカノケミカル効果を検出するための微少力センサーの研究開発 超精密研削加工法により石英ガラスを加工し、熱変形の影響をきわめて少なくすることの可能な力センサーチップの開発を行った。ベース部分には超精密加工装置により約10ミクロンの段差を設け、また弾性変形部は石英ガラス板を超精密研削加工により薄片化することで300ミクロンの薄さのチップを形成することに成功した。これらのチップに蒸着により電極を形成し微少力センサーとして機能することを確認した。理論上の分解能はおよそ5nNと推定された。 (2)微少流体をハンドリングするためのマイクロフローシステムの研究開発 たんぱく質とリガンドの相互作用の検出においては、遺伝子組み替え技術によって製造された たんぱく質の試験も視野に入れるとたんぱく質量としてはマイクログラムのオーダーで反応流体の量は10マイクロリットルのオーダーで試験が可能であることが望ましい。このため微少なフローセル(容積約12マイクロリットル)を開発し、またサンプル溶液を安定して供給するためのサンプルプロセッサーとの結合試験も開始した。さらに、微少なフローセルでの水面を安定化させるためのセンサーの試験も開始した。 微少なたんぱく質チップのハンドリングを可能とするために、タングステン製の微少なピンを超精密研削加工により形成した。これにより、マイクログラムオーダーでのたんぱく質チップのハンドリングの可能性が開けた。 以上の要素を組み合わせて、基礎的なメカノケミカル法によるたんぱく質-リガンドの相互作用試験を実施し、システムが動作可能であることを確認した。
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[Publications] 金,山形,林,井上,樋口,牧野内: "マイクロフローセルのための静電容量型高分解能変位計の開発"精密工学会2000年度秋季大会講演論文集. G22. 282 (2000)
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[Publications] 山形,大森,上原,森田,守安,金,井上,樋口: "たんぱく質チップハンドリングのためのマイクロピンの加工"砥粒加工学会2000年度学術講演会論文集. D6. 351-352 (2000)
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[Publications] 山形,大森,上原,森田,守安,金,井上,樋口: "微少力センサーのための石英センサチップのマイクロ加工"砥粒加工学会2000年度学術講演会論文集. D6. 353-354 (2000)
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[Publications] 金,山形,林,井上,樋口,牧野内: "マイクロフローセルのための静電容量型高分解能変位計の開発"精密工学会2001年度春季大会講演論文集. (発表予定).