2001 Fiscal Year Annual Research Report
半導体鉄シリサイドを用いた室温動作赤外発光ダイオードの作製
Project/Area Number |
12555084
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
末益 崇 筑波大学, 物理工学系, 講師 (40282339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 文夫 筑波大学, 物理工学系, 教授 (70143170)
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Keywords | 鉄シリサイド / 透過型電子顕微鏡 / エレクトロルミネッセンス / 発光ダイオード |
Research Abstract |
本研究では、Si上にエピタキシャル成長可能な半導体鉄シリサイド(β-FeSi_2)を用いて、室温で動作する赤外領域の発光ダイオードを実現することを目的に実験を行い、本年度は以下の結果を得た。 1.Si中にβ-FeSi_2粒を埋込んだSi/β-FeSi_2粒/Si構造を、β-FeSi_2については熱反応堆積法を用いて、また、Siについては分子線エピタキシー(MBE)法を用いて作製した。Β-FeSi_2をMBE法Siで埋込む温度が400〜500度と低い時にはβ-FeSi_2からの1.5μmのフォトルミネッセンス(PL)が得られるが、埋込み温度が高い時にはPLが得られなかった。 2.PL発光が得られた低温(500度)で埋込んだ試料と、PL発光が得られなかった高温(750度)で埋込んだ試料のβ-FeSi_2について、透過型電子顕微鏡(TEM)により、その格子定数を見積った。その結果、発光するβ-FeSi_2はa軸方向に約9%もの引っ張り歪みを受けていることが明かとなった。一方、発光しないβ-FeSi_2は歪んでいなかった。また、同一基板上に作製しているにもかかわらず、歪んでいないβ-FeSi_2もあった。この原因は、基板ヒータに温度分布があり、これが基板面内に温度分布をもたらし、これにより、β-FeSi_2の凝集の仕方が異なるためであることが明かとなった。 3.Si pn接合に、直径約100nmのβ-FeSi_2を500度で埋込んだダイオードをエピタキシャルSi(001)基板上に作製したところ、40A/cm^2以上の電流注入で、1.6μmの室温エレクトロルミネッセンスが得られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Takakura: "Investigation of direct and indirect bandgaps of [100]-oriented nearly strain-free β-FeSi_2 films grown by molecular beam epitaxy"Applied Physics Letters. Vol.80,No.4. 556-558 (2002)
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[Publications] 知京豊裕: "Si結晶中に埋込まれたFeSi_2のTEM観察"まてりあ. 40巻、12号. 1013-1013 (2001)
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[Publications] N.Hiroi: "Direct Growth of [100]-Oriented β-FeSi_2 Films on Si(001) Substarates by Molecular Beam Epitaxy"Japanese Journal of Applied Physics. Vol.40,No.10A. L1008-L1011 (2001)
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[Publications] T.Suemasu: "Influence of Si growth temperature for embedding β-FeSi_2 and resultant strain in β-FeSi_2 on light emission from p-Si/β-FeSi_2 particles/n-Si light-emitting diodes"Applied Physics Letters. Vol.79,No.12. 1804-1806 (2001)
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[Publications] K.Takarabe: "Optical absorption spectra of β-FeSi_2 under pressure"physics status solidi(b). Vol.223. 259-263 (2001)
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[Publications] 長谷川文夫: "鉄シリサイドβ-FeSi_2を活性領域とするSi系LEDの室温発光"真空ジャーナル. 75号. 5-9 (2001)