2001 Fiscal Year Annual Research Report
巨大磁気光学効果を示す磁性フォトニック結晶を用いた薄膜アイソレータに関する研究
Project/Area Number |
12555089
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
井上 光輝 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (90159997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 英樹 ミネベア(株), 浜松製作所・R&Dセンター・基礎技術開発部, 研究員
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Keywords | 光アイソレータ / 磁性フォトニック結晶 / 多層構造膜 / 磁性ガーネット薄膜 / フォトニック結晶 |
Research Abstract |
1次元磁性フォトニック結晶(1D-MPC)ベースの薄膜光アイソレータデバイス実現を究極的な目的として、理論・実験の両面から詳細な研究を行い、以下の結論を得た。 (1)1D-MPC形成法 従来我々は、1D-MPC形成法として光パルス熱処理法を用いてきたが、この手法では薄膜試料形成面積が小さく、アイソレータへの応用上具合が悪かった。この難点を克服する方策として、高耐熱特性を有するガラス基板を薄膜試料基板に用いることで一般的な電気炉での熱処理で良好な特性を示す1D-MPCが得られることを見出した。 (2)45度偏光面回転 磁性ガーネット層を1層のみ含む1D-MPCについて、偏光面回転角45度を実現する多層構造を厳密な理論解析から見出した。この薄膜構造は極めて多数の誘電体多層膜を必要とし、動作波長帯域が狭く、また現実的な作成の観点から困難であることを結論した。 (3)デュアルキャビティ1D-MPC 上記(2)の難点のない1D-MPCとして、薄い磁性ガーネット層を2層含む1D-MPCの動作を厳密な理論解析から詳細に調べた。その結果、膜構造を最適化し、1D-MPCを伝播する左右円偏波の光の位相をうまく制御することで、45度を超える極めて大きな偏光面回転が実現できることを見出した。 (4)動作帯域の拡大 上記(3)で実現される1D-MPCの動作帯域は10nm程度以下の狭帯域特性であり、広帯域化が望まれる。この観点から1D-MPCの誘電体多層構造を理論解析から調べたところカスケード的に動作帯域を拡大する手法を見出した。 上記の研究成果を踏まえ、現在実際の素子形成を行っている。特に、上記1D-MPCを実現するには膜厚制御が極めて重要であることから、薄膜形成法自体にも検討を加えている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hideki Kato, Mitsuteru Inoue: "REFLECTION-MODE OPERATION OF ONE-DIMENSIONAL MAGNETOPHOTONIC CRYSTALS FOR USE IN FILM-BASED MAGNETO-OPTICAL ISOLATOR DEVICES"J.Appl.Phys.. (in press). (2002)
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[Publications] 加藤英樹, 松下 毅, 高山昭夫, 江川元二, 井上光輝: "反射型1次元磁性フォトニック結晶の特性"日本応用磁気学会誌. (in press). (2002)
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[Publications] 加藤英樹, 高山昭夫, 江川元二, 井上光輝: "1次元磁性フォトニック結晶と薄膜光アイソレータへの応用可能性"電気学会研究会資料(マグネティクス研究会). MAG-01-146. 55-60 (2001)