2000 Fiscal Year Annual Research Report
シングルイオン注入法による半導体電気的特性ゆらぎ抑制に関する研究
Project/Area Number |
12555092
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大泊 巌 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊島 義明 (株)東芝セミコンダクター社, マイクロエレクトロニクス技術研究所, 主査
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Keywords | シングルイオン注入法 / ナノテクノロジー / 半導体 / ドーパント / 表面改質 / ナノ構造 / 同時ドーピング / ELTRAN |
Research Abstract |
本研究初年度は、極微半導体における不純物原子の離散性が電気的特性に与える影響を定量的に検証するために、以下の要素技術の高精細化を図った。 (1)シングルイオン注入法における照準精度の改善 イオンビームから1個のイオンを抽出するために行う"チョッピング"という操作故に留まっていた低い照準精度を格段に向上させるために、シングルイオン注入用集束イオンビーム(FIB)光学系の改造を行った。具体的には、対物レンズの縮小率を従来の1/6から1/19に改善した。その結果、ビーム径は20nm以下に達し、ビームアライメント精度が格段に向上したことを確認した。これにより、チョッピング時の光軸からのずれも改造前の170nmから60nmに大幅に抑制され、半導体ナノ領域へのピンポイントドーピングが可能となった。 (2)Epitaxial Layer TRANsfer(ELTRAN)ウエハを用いた新しいテスト試料の設計と作製 エピタキシャル成長によって形成される高品質なSilicon On Insulator(SOI)層を有するELTRANウエハを用い、新しいシングルイオン注入用極微テスト試料を作製した。多様な寸法(幅300nm〜2μm、膜厚50〜100nm)を用意し、また、チャネルに対して6つの電圧・電流端子を設けることによって、より詳細に電気的特性を評価できるよう工夫を凝らした。高速・低消費電力SOIデバイスとして有望な新しいウエハに関する基礎物性評価を開始した。 (3)n型p型ドーパント同時注入のための新しい液体金属イオン源の開発 n型p型ドーパントを同時に注入することによってクーロン散乱が抑制される結果、高移動度シリコン細線の実現が期待される。このため、In-Sb-Au型およびIn-P-Pt型液体金属イオン源を新たに開発した。これまでに30時間以上の安定動作を確認している。今後、半導体ナノ構造におけるドーパントの活性化を理解した上で、同時ドーピングの効果を検証する予定である。
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[Publications] T.Shinada: "Reduction of fluctuation in semiconductor conductivity by one-by-one ion implantation of dopant atoms"Jpn.J.Appl.Phys.. 39. L265-L268 (2000)
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[Publications] M.Koh: "New process for Si nanopyramid array(NPA) fabrication by means of ion beam irradiation and wet etching"Jpn.J.Appl.Phys.. 39. 2186-2188 (2000)
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[Publications] M.Koh: "High-density nanoetchpit-array fabrication on Si surface using ultrathin SiO2 mask"Jpn.J.Appl.Phys.. 39. 5352-5355 (2000)
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[Publications] S.Sawara: "Simple fabrication of high density concave nanopyramid array(NPA) on Si surface"Appl.Surf.Sci.. 159/160. 481-485 (2000)
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[Publications] T.Shinada: "Flat-band voltage control of a back-gate MOSFET by single ion implantation"Appl.Surf.Sci.. 162-163. 499-503 (2000)
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[Publications] M.Koh: "Simple nanostructuring of Si surfaces by means of focused beam patterning and wet etching"Appl.Surf.Sci.. 162-163. 599-603 (2000)
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[Publications] T.Tanii: "Nucleation and growth of Cu clusters on highly oriented pyrolytic graphite observed with an in situ electrochemical scanning tunneling microscope"Appl.Surf.Sci.. 162/163. 662-665 (2000)