2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12555102
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
角南 英夫 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (10311804)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝原 健太郎 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 助教授 (50274139)
横山 新 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (80144880)
|
Keywords | 鞍型トランジスタ / 素子分離構造 / フィールド・シールド / 多結晶シリコン埋め込み / 増速酸化 / ハンプ電流 |
Research Abstract |
溝に囲まれた鞍型のシリコン・トランジスタでは、隣接するトランジスタ間を電気的に分離する構造が従来の平面構造のトランジスタと異なる。とくに梁の上端エッジ部で電界が集中し、サブスレッショルド領域で多くの電流が流れるいわゆる"ハンプ電流"が発生する。このハンプは、集積回路の待機電力を増すばかりでなく、回路設計上も障害となる。 これを抑制するために、新しいプロセスにより自己整合でエッジ部に厚いシリコン酸化膜を形成する方法を考案した。すなわち、溝に多結晶シリコンを埋め込み、その多結晶シリコンに添加したリンが酸化を増速することを用いて、多結晶シリコン上に選択的に厚いフィールド酸化膜を形成した。たとえば、850℃、1時間の湿式酸化では、1x10^<21>cm^3の濃度に燐を添加した多結晶シリコン上には300nm、添加しない多結晶シリコン上には60nmの酸化膜が形成された。この条件では5倍の増速酸化が達成された。 この新しい素子分離構造により、有害な,"ハンプ電流"が抑制されたばかりでなく、埋め込んだ多結晶シリコンがフィールド・シールドの役割を果たし、隣接するトランジスタ間のリーク電流も抑制できた。さらに、従来のLOCOS法に比べて、接合容量も20%以上削減され、高速動作に有利であることがわかった。これは、LOCOSではフィールド酸化膜下のボロン濃度が高いのに比べて、溝分離では濃度が高い部分が直接接合に接していないことによる。
|
Research Products
(1 results)