2002 Fiscal Year Annual Research Report
波長多重光ネットワークのための新しい超小型光ファイバレーザデバイス
Project/Area Number |
12555107
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 真司 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (40239968)
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Keywords | 光ファイバ増幅器 / 光ファイバレーザ / モード同期 / 波長多重 / スーパーモード雑音 / アレイ光導波路 / 偏波維持光ファイバ / 強度変調器 |
Research Abstract |
本研究の目指すところは、研究代表者の山下らが提案し、その優れた特性を実証してきた超小型光ファイバファブリ・ペローレーザ(FFPL)を利用して、将来の波長多重(WDM)光ファイバネットワークでの実用に耐えうる高機能な新しい光ファイバレーザ光源・波長変換器を実現していくことである。本年度は、本研究の最終年度にあたる。本年度は、多波長モード同期光ファイバレーザとその応用の研究を中心に行った。 短パルス発生のためのモード同期技術と多波長技術とを組み合わせて、多波長モード同期光ファイバレーザを実現した。構成はσ型のモード同期光ファイバレーザである。LiNbO_3強度変調器により10GHzで能動的にモード同期をかけ、高調波モード同期条件を満たすよう(FSR〜3.25MHz)ファイバストレッチャで共振器長を微調整した。多波長フィルタとしてアレイ光導波路(Arrayed Waveguide Grating : AWG)を用いた。このAWGは100GHz(0.8nm)間隔で16のチャネルを持ち、片端に高反射率(90%)ミラーが着いている。AWGを用いることでITUグリッドに一致した波長間隔で出力が得られる。偏波モード分散の影響を抑えるため、AWG以外の共振器部分は全て偏波保持系で構成した。その結果、16個のポート全てから繰り返し周波数10GHzでのモード同期パルス発振が得られた。得られたAWG出力スペクトルの半値全幅(FWML)は0.214nm(Δf=26.75GHz)、出力パルスのFWMLはガウシアン型と仮定した場合Δt=20.3psであった。この結果、時間・周波数積はΔf・Δt=0.54とガウシアン型のトランスフォームリミット値0.44に近い値が得られた。さらにRFスペクトルを観測することで、スーパーモード雑音が45dB以上抑えられていることが確認できた。
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[Publications] Y.Nasu, S.Yamashita: "Fabrication of long superstructure fiber Bragg graings (SSFBG's) using a novel scanning phase-mask technique"Japanese Journal of Applied Physics (JJAP). vol.41,part I, no.7B. 4790-4793 (2002)
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[Publications] S.Yamashita, T.Baba, Y.Namihira: "Measurement of polarization mode dispersion (PMD) with a multiwavelength fiber laser"IEICE Transactions on Electronics. Vol.E86-C, no.1. 59-62 (2003)
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[Publications] S.Yamashita, T.Baba, K.Kashiwagi: "Frequency-shifted multiwavelength FBG laser sensor"Int. Conf. on Optical Fiber Sensors (OFS2002). no.WB3. (2002)
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[Publications] S.Yamashita: "Optical fiber lasers and their applications"Optical Electronics and Communications Conf.(OECC'2002). no.12D3-1(invited). (2002)
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[Publications] S.Yamashita, R.Hayashi: "Multiwavelength, actively mode-locked fiber laser at 10GHz"Optical Electronics and Communications Conf.(OECC'2002). no.10P-45. (2002)
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[Publications] R.Hayashi, S.Yamashita, T.Saida: "Multiwavelength, actively mode-locked polarization-maintaining fiber laser at 10GHz"Optical Fiber Communications (OFC2003). no.TuL6. (2003)
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[Publications] 山下真司: "イラスト・図解 光ファイバ通信のしくみがわかる本"技術評論社. 319 (2002)