2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12555112
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 実 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70282100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江刺 正喜 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20108468)
羽根 一博 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50164893)
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Keywords | フォトダイオード / 集積化 / 積層構造 / 干渉計 / 定在波 / 共振構造 / エンコーダ |
Research Abstract |
集積化光計測システムの更なる改良を進めた。 1.干渉計用薄膜フォトダイオードの改良:フォトダイオードのSi膜厚をmλ/2(m:整数)にすることで、信号の波形歪みを減少できることを昨年度報告した。Si膜厚をファブリ・ペロー共振条件にすることで光透過率を上げ、界面反射による波形歪みを減少する。理論的には、波形歪みと同時に、ファブリ・ペロー共振器内部の光強度が増強されるために信号強度も増加するはずであった。昨年度は、これが確認できなかった。薄膜フォトダイオードをエピタキシャル成長によって用意したからである。界面特性が良くなくリーク電流が多かった。そこで、バルク結晶Siを薄くしてmλ/2の共振条件に合わせ、従来通りドーパントのイオン注入によってフォトダイオードを製作した。結果、信号歪みの減少と信号強度の増加が同時に得られた。感度は以前の30倍になった。歪み成分もより定量的に評価できるようになった。実験結果は計算値とよい一致を示した。レーザ波長を変化させて2次歪み成分が4%まで下がることを実測で確認した。Si膜厚を完全にλ/2に合わせることができれば、2次歪み成分は1%まで減少すると予想される。 2.エピタキシャル膜の改良:Siエピタキシャル成長の条件出しを改良した。フォトダイオードのpnジャンクションの位置をSi膜中の定在波ができる腹の位置に配置することができると、信号のコントラストを更に改善できると予想される。SiH4ではなくSiH2C12ガスを利用することで(これに伴い成膜温度も変わる)、リーク電流が抑えられフォトダイオード特性が改善することを確認した。 3.薄膜フォトダイオードを利用したエンコーダ用素子:薄膜フォトダイオードをエンコーダ用素子にも応用する試みを行った。従来の貫通穴を空ける構造に比べて機械的に安定するため、格子ピッチを細かくできる。分解能向上が期待できる。1、2の結果を受けて感度を保てることが見込まれる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Hane, T.Endo, M.Ishimori, Y.Ito, M.Sasaki: "Integration of grating-type encoder using Si micromachining"Sensors and Actuators A. 97-98. 136-146 (2002)
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[Publications] M.Sasaki, F.Nakai, X.Mi, K.Hane: "Thin Film Photodiode with Resonant Cavity for Increasing Signal of Standing Wave Detection Type Interferometer"2002 IEEE/LEOS International Conference on Optical MEMS. 25-26 (2002)
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[Publications] 鎌田竜二, 見田村宗雄, 金森義明, 佐々木実, 伊藤義規, 羽根一博: "投影型マイクロエンコーダの集積度向上"第63回応用物理学会学術講演会 講演予稿集 24p-ZN-5. No.3. 870 (2002)
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[Publications] Hyungsuck Cho 編(寄稿:羽根一博, 佐々木実): "OPTO-MECHATRONIC SYSTEMS HANDBOOK(ISBN 0-8493-1162-4)"CRC Press. 631 (2003)