2001 Fiscal Year Annual Research Report
サンプル値制御理論の実用化にむけて:CADの開発と実システムへの適用
Project/Area Number |
12555122
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤岡 久也 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (60273596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 光男 千葉大学, 工学部, 助手 (50282447)
北田 宏 住友金属工業株式会社, システム事業部, 参事補(研究職)
山本 裕 京都大学, 情報学研究科, 教授 (70115963)
小林 泰秀 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (50272860)
若佐 裕治 京都大学, 情報学研究科, 助手 (60263620)
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Keywords | サンプル値制御 / 制御系CAD / ハードディスク装置 / 超音波モータ / 連続鋳造機 / ロボットアーム |
Research Abstract |
本年度は以下の課題の研究を行った: ・サンプル値制御系CADの開発:サンプル値制御系の周波数応答の新しい上下界およびその計算アルゴリズムを提案した.提案した上下界は,従来知られていた上下界より精度が高く,計算量は同等である.また,開発中のサンプル値制御系CADに周波数応答ゲインの上下界の計算法を実装した. ・ハードディスクのシーク制御:終端状態制御によるハードディスクのショートシーク制御手法を提案した.提案する制御則は,入出力値の拘束,入力の周波数成分などの制約のもとで指定したステップ数でトラッキングを達成する入力のうち,入力のエネルギーを最小化するものであり,制御則の設計問題はLMIに帰着される.また,実験により提案手法の有効性を確認した. ・超音波モータの速度制御:超音波モータの速度制御において現れる周期外乱除去のためには繰り返し制御が有効であるが,制御系はむだ時間を含む系となり,設計問題は困難であった.このむだ時間系の構造に着目し,ゲインスケジューリング手法を用いて実装可能な補償器の設計法を明らかにするとともに,速度制御実験を行い有効性を確認した. ・ロボットアームの関節角トラッキング実験:関節角制御系のディジタル制御による安定性条件を消散性理論に基づき明らかにした.リアルタイムLinuxを用いて実験環境を構築し,実験によりその有効性を確認した.また,ビジュアルサーボ系の実験環境を構築し,予備的な考察および実験を行った. 以上の研究を行うとともに,計測自動制御学会第1回制御部門大会(5月,京都)においてオーガナイズドセッションを開催し,研究成果を公表した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Fujioka, K.Ito: "Bounds for frequency response gain of sampled-data systems based on signal space decomposition"Proc.2001 American Control Conf.. 2056-2057 (2001)
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[Publications] 藤岡: "IQCに基づく非線形・時変システムの安定性解析:ロバスト制御をめざす立場から"SICEセミナー「ロバスト制御入門」テキスト. 99-119 (2001)
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[Publications] 平田, 亀井, 野波: "サンプル値H_∞制御を用いた磁気軸受のロバストディジタル制御"日本機械学会論文集(C編). 67. 297-302 (2001)
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[Publications] 平田, 野波: "サンプル値系に対する2自由制御系の一設計法〜フィードバック補償器の動特性を用いた手法"計測自動制御学会論文集. 37. 471-473 (2001)
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[Publications] 小林, 浅井: "むだ時間の有限次元近似と近似誤差のゲインスケジューリングに基づくあるクラスのむだ時間系設計問題に対する実装可能な補償器の設計"計測自動制御学会論文集. 37. 213-221 (2001)
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[Publications] H.Kitada, M.Oka: "Q-parameter design control for periodic mold level fluctuation of continuous caster"Prep.of 10th IFAC Symp.on Automation in MMM. 170-176 (2001)