2000 Fiscal Year Annual Research Report
ひずみ記憶型センサーを用いた構造物自動損傷度検出システムの開発
Project/Area Number |
12555135
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 利器 京都大学, 防災研究所, 助手 (60301248)
武田 展雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10171646)
鈴木 祥之 京都大学, 防災研究所, 教授 (50027281)
楊 峻 京都大学, 土木学会, 主任研究員
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Keywords | 最大歪記憶センサ / 弾性座屈 / キャパシタンス / システム同定 / 適応型モンテカルロフィルタ / 非線形構造システム / 逐次線形化法 / 微動計測 |
Research Abstract |
構造モニタリングシステムでは安価で寿命が長く、かつ必要な時にモニタリングが可能なセンサが必要である。本年度は単純な構造で、常時計測の不要な最大歪記憶センサを提案した。記憶機構は一方向にのみ完全塑性の特性を持つことによって可能であるが、その特性は細線を使った弾性座屈の仕組みで実現した。最大歪の計測には抵抗、キャパシタンス、インダクタンス等の変化を利用できる。抵抗の変化を利用した場合には弾性変形によって生ずる断面変化と抵抗変化の関係に留意した設計が必要であるが、ごく単純な構造のセンサが実現可能である。キャパシタンスあるいはインダクタンスを変化させるセンサの場合には、LC回路を構成して、非接触でディップメータを用い、共振振動数を測定することによって、最大歪の検出が可能であることが示された。その測定は容易で精度の高いものである。 既存の構造物の劣化度を常時微動や微小な起振器を用いた構造物応答の計測から判定する方法論を確立するとともに、強震時においては構造物の応答が非線形領域に入るので、システム同定のアルゴリズムを用いて構造物の地震時における損傷位置を検出するための方法論を開発する。本年度は非定常性への追従を目的として、新しく適応型モンテカルロフィルタを開発した。次に、非線形構造システムに対して、線形化した状態空間モデルを用いた同定手法として、逐次線形化法を用いた手法、および、復元カモデルとしてVersatile型復元力モデルで表されるモデルに対して、その非線形パラメータを同定する手法を提示した。さらに、非線形状態空間モデルを用いた同定手法を開発するとともに、その手法の有効性を数値シミュレーションによって検証した。同時に微動計測による実大構造物の動特性の同定を行なって、モンテカルロフィルタの有効性を検証した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 佐藤忠信,田中悟: "可変減衰装置を用いた構造物の実時間ハイブリッド震動制御実験"土木学会論文集. No.647/I-5. 425-433 (2000)
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[Publications] 佐藤忠信,梶啓介: "非線形構造システムの線形同定法"土木学会論文集. No.647/I-51. 155-165 (2000)
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[Publications] Victor A.Gotlib,Tadanobu Sato,Abraham I.Beltzer: "Neural Computations of Effective Response of Random Composites"International Journal of Solids and Structures. Vol.37. 4527-4538 (2000)
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[Publications] Victor A.Gotlib,Tadanobu Sato,Abraham I.Beltzer: "Neural Computiong of Effective Properties of Random Composite Materials"Computers and Structures. No.79. 1-6 (2001)
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[Publications] 佐藤忠信,本田利器,柴田俊次郎: "光ファイバセンサによる地盤ひずみ計測実験"第2回構造物の破壊過程解明に基づく地震防災性向上に関するシンポジウム論文集. 35-40 (2001)
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[Publications] Tadanobu Sato,Riki Honda,Syunjiro Shibata and Naoki Takegawa: "Ground strain measuring system using optical fiber sensors"Proceedings of the SPIE,s 7^<th> Annual International Symposium on Smart Structures and Materials. Vol.3986. 180-190 (2000)