施工過程を考慮した浅層トンネル掘削技術の開発

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12555141
• Research Institution: Nagoya Institute of Technology
• Principal Investigator: 中井 照夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00110263)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 張 鋒 岐阜大学, 学部, 助教授 (70303691) ; 檜尾 正也 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (00335093) ; 前田 健一 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (50271648) ; 鈴木 誠 清水建設, 泉研究室, 主任研究員 ; 橋本 正 (財)地域・地盤・環境研究所, 室長
• Keywords: トンネル / 施工過程 / 有限要素法 / 浅層 / 構成式 / モデル試験 / 数値解析

Research Abstract

地盤材料の構成式とその応用に関する今までの研究成果をベースに、浅層トンネルの掘削問題を地盤と構造物の3次元相互作用問題として捉え、地盤材料の変形・強度特性、トンネルの剛性、トンネルと地盤の摩擦特性、トンネルの掘削順序と含む施工プロセスを考慮した有限要素解析を行い、掘削時の地盤およびトンネル本来の応力・変形挙動を解析的に調べた。この成果をもとに、掘削順序を含む施工プロセスの影響を考慮出来る浅層トンネル施工時の地盤の応力・変形挙動を総合的に評価できる解析・設計システムを構築することを目的として行った。ここでは地盤材料の力学特性(特にダイレイタンシー特性と3次元効果)や施工過程の違いや既設構造物による荷重等の初期応力の違いがが地盤の変形・破壊挙動に大きく影響するという研究成果に基づき、合理的な設計法が求められているトンネル掘削問題(特に浅層地盤)で物理的意味の明確な変形・土圧予測法を提案した。そして、その信頼性をモデル実験、現場実測値により検証し、新しい浅層トンネル掘削技術の開発へと発展させた。今年度の成果は以下のようにまとめられる。
初期条件(地盤の材料特性、トンネル深さ)や施工プロセス等を変えたモデル実験とそれに対応する変形解析を行い、それらの結果と比較することにより、実験・解析の両面から浅層トンネル掘削時の基本的な地盤の変形メカニズムを総合的に検討した。また、地表面に建物等の既設構造物がある場合とない場合の解析・実験も行い、既設構造物の荷重がトンネル掘削時の地盤の変形に大きく影響することを示した。
現行のトンネル掘削地盤の地表面沈下予測法や掘削時のトンネル土圧の算定法とその問題点を整理検討した。また、現場解析のために現場実測値の集積を行った。以上、解析結果とモデル試験結果の比較、13年度からの解析結果と現場実測値の比較を通して、トンネル掘削時の地盤の変形メカニズムを解明するとものに実務での土圧、地盤変位の予測に地盤材料の力学特性を考慮した弾塑性有限要素解析がこれから大きな貢献をするといえる。

Research Products

• [Publications] T.Nakai et al.: "Earth pressure and ground movements due to tunneling -model tests and analyses"Proc.of IS-Kyoto 2001. 1. 153-158 (2001)
• [Publications] 栗本知生: "2次元浅層トンネル掘削実験とその解析"第37回地盤工学研究発表会. 2. 1673-1674 (2002)
• [Publications] H.M.Shahin: "2D and 3D model tests and numerical analyses in shallow tunneling"第37回地盤工学研究発表会. 2. 1671-1672 (2002)
• [Publications] T.Nakai et al.: "Numerical simulation for construction sequence of three abreast tunnels in shallow ground"Proc.of IS-Toulouse 2002. 1. 71-76 (2002)
• [Publications] H.M.Shahin et al.: "3D effect on surface settlements and earth pressures in tunneling"Proc.of IWS-Calgary 2002. 1. 69-74 (2002)
• [Publications] T.Nakai: "Earth pressure and surface settlements in shallow tunnels with large Cross-section"Proc.of 12^<th> ARCSMGE. (発表予定). (2003)