2002 Fiscal Year Annual Research Report
シルトフェンスの最適な敷設計画のためのシミュレーションソフトウェア開発
Project/Area Number |
12555149
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋山 壽一郎 九州工業大学, 工学部, 教授 (20192916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 秀博 大成建設(株), 技術研究所・構造研究部・海洋水理研究室, 室長
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Keywords | 土砂直投工 / 水質汚濁 / シルトフェンス / 固液混相流 / 濁水密度流 / 数値シミュレーション / LES / Smagorinsky Model |
Research Abstract |
本研究は、「汚濁拡散防止膜というハード」と「その適正な敷設法というソフト」が一体となってはじめて効果的な汚濁防止対策となるとの立場から、汚濁拡散防止膜の合理的かつ経済的な敷設を行なうためのシミュレーションソフトウェアの開発を目的としたものであり、本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 (1)LESに基づく3次元固液混相数値モデルを開発し、2次元状態で粒子と水を混合した直投粒子群の落下から底面衝突を経て水平流動に至るまでの実験)と数値モデルとの比較検討を若干行った結果、良好な結果が得られた。 (2)3次元状態では条件によっては、計算を長く続けると底面に沿って流動する粒子群の計算が不安定になり、計算の続行が難しい場合があることが判明した。現在、このような問題を解決すべく数値計算法の改善に全力を尽くしている状態である。このような理由で、研究成果のとりまとめを1年間延長することとした。研究目的を達成するために必要な実験データの収集は既に終えていることから、3次元状態での計算の安定性を確保できれば、優れた再現性が期待できる。 (3)底面衝突後の濁りの拡がりの程度は、底面衝突時の粒子群の落下形態に強く支配されており、落下形態は投下条件と水域水深に規定されている。従って、投下条件と水域水深との関係が濁りの拡がりの程度を評価する上で重要であり、底面衝突後の濁りの拡がりはシルトフェンスの効果的な設置方法や設置位置とも深く関わっている。これらを踏まえ、thermal phaseにおける落下粒子群の流動特性の解明と予測、thermal phaseからswarm phaseへの遷移水深の予測、落下粒子群の乱れ特性の解明を行った。
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[Publications] Jha, A.K., Akiyama, J., Ura, M.: "Flux-difference splitting scheme for gravity currents"The 8th international Sympo. on Flow Modeling and Turbulence Measurements, IAHR, Tokyo. 283-290 (2001)
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[Publications] 秋山壽一郎, 斎賀仁, ジャスワントシン, 浦 勝: "直投土砂の濁りの拡がりと水域水深の影響"水工学論文集. 第47巻. 1141-1146 (2003)
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[Publications] 秋山壽一郎, 重枝未玲, 山崎 勉, 野中雅之: "水平面上における保存性・非保存性サーマルの数値シミュレーション"水工学論文集. 第47巻. 1147-1152 (2003)
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[Publications] Jaswant Singh, 秋山壽一郎, 浦 勝: "Simulation of Buoyant Cloud by LES"平成14年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集. 第2分冊. B176-B177 (2003)
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[Publications] 飯田英明, 秋山壽一郎, 斉賀 仁, 浦 勝: "粒子サーマルの遷移水深について"平成14年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集. 第2分冊. B182-B183 (2003)
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[Publications] Akiyama, J., Shige-eda, M., Yamasaki, T., Nonaka, M.: "Numerical study on suspension and non-suspension dense clouds propagating over horizontal boundary"Journal of Hydroscience and Hydraulic Engineering. (in press). (2003)