2000 Fiscal Year Annual Research Report
環境配慮型社会へ向けた温暖化対策効果評価モデルの開発
Project/Area Number |
12555154
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松岡 譲 京都大学, 工学研究科, 教授 (90109033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 洋子 京都大学, 工学研究科, 助手 (00314237)
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Keywords | 環境配慮型社会 / 温暖化対策 / 数理モデル / マテリアルバランス / エネルギーフロー |
Research Abstract |
今日の環境問題において、「循環」、「共生」、「参加」といった概念も定着する可能性が見えてきた。このような社会的潮流として環境配慮型社会への転換を実現するためには、環境技術開発や種々の施策施策の効果評価を可能とするプラットホーム(モデル)の構築が急務であると考えられる。本研究では社会経済システムにおけるエネルギー、物質消費からの二酸化炭素排出に焦点をあてモデル開発を行うことを目的としている。 本年度は、これまでの研究で開発してきた (1)ボトムアップ・エンドユーズ型モデル(AIM/end-useモデル、化石燃料消費からの温室効果ガス排出を詳細なエネルギー機器レベルで積み上げる)、 (2) トップダウン型の逐時型一般均衡経済モデル(AIM/top-downモデル、エネルギー関連部門、数十の生産・サービス部門、政府及び家計部門から構成)、 (3)それらをサポートしてきた諸データシステムをベースとして、以下の拡張、モデル取り込みと整備を進めた。 (4)一般・産業廃棄物の諸項目、紙、鉄、セメント、アルミニウムなどのマティリアルフロー、 (5)生産部門での環境負荷発生とその削減活動(水質負荷、大気質負荷、廃棄物対象)、 (6)公営及び民間の環境負荷処理部門・リサイクル産業部門の強化、 (7)家計、産業及び政府部門の環境配慮に対する選好変化のメカニズム、 (8)家計への財投入とそれをインプットとする家計内サービス生産メカニズム、 (9)環境保全型キーテクノロジーのR&Dを含めた経済的、技術的記述。 これらのうち、(4)〜(6)及び(9)については今までにもある程度進行させていたので、それらの完成とその他の項目に関する基本設計を中心に行った。作業の中心は、主にモデル開発(プログラム作成)及び各種統計資料の整理とデータベース化であり、前者については松岡を中心として島田が補助し、主に現有施設等を用い遂行した。後者は島田が中心となり資料収集、関連諸機関との対応及び研究補助者を使用した資料整理・体系化を遂行した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Jiang,T.Morita,T.Masui,Y.Matsuoka: "Global long-term greenhouse gas mitigation emission scenario based on AIM"Environmental Economics and Policy Studies. Vol.3. 239-254 (2000)
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[Publications] Y.Matsuoka: "Extrapolation of carbon dioxide emission scenarios to meet long-term atmospheric stabilization targets"Environmental Economics and Policy Studies. Vol.3. 255-265 (2000)
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[Publications] 島田幸司,松岡譲: "エネルギーエンドユースモデルの京都議定書への適用に関する現状と課題"環境情報科学. Vol.29. 55-65 (2000)
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[Publications] 増井利彦,松岡譲,森田恒幸: "環境と経済を統合した応用一般均衡モデルによる環境政策の効果分析"環境システム研究論文集. Vol.28. 467-475 (2000)