2001 Fiscal Year Annual Research Report
不攪乱自然土壌における環境インパクト化学物質の運命予測のための新しい手法
Project/Area Number |
12555156
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小松 登志子 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80034396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 則篤 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50294541)
福島 武彦 筑波大学, 地球科学系, 教授 (90124354)
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Keywords | VOCs / 農薬 / PAHs / 土壌吸着・脱離 / 土壌内拡散 / 運命予測モデル / マイクロカラム法 / 遅延係数 |
Research Abstract |
(1)昨年度提案したインパルス型HPLCマイクロカラム法により,3種類の土壌における5種類の農薬の遅延係数Rを測定した.非平衡バッチ吸着試験との比較により,本法で得られるRは非平衡吸着を表すものであることが示され,その現象を記述する非平衡吸脱着モデルを提案した.また,HPLCマイクロカラム法により農薬の吸脱着の物質収支を測定する方法を提示した. (2)VOC浄化のための土壌ガス吸引法における浄化効果に与える通気係数と遅延係数の複合的影響を3種類の土壌と3種類のVOCについて調べ,土壌内におけるVOCの最大流速を得ることのできる最適水分量を求める方法を提案した. (3)日本,アメリカ,デンマークの3種類の異なった土壌へのPAH(Naphtalene)の時問依存性吸着を測定し,土壌有機物へのPAHの拡散を考慮したモデルを提案した. (4)数種類の異なった土壌における気体拡散の実測データをもとに,土壌特性(間隙径分布)を考慮した,新しい土壌特性依存型モデルを開発した. (5)撹乱,不撹乱土壌の実測データに基づく解析から,土壌内の液相・気相における物質の拡散と移動が,土壌表面積と間隙径分布に支配されていることを明らかにした. (6)日本,デンマークの土壌におけるコロイド粒子の挙動について調べ,その移動と吸脱着が拡散律速であることを明らかにした.また,コロイドに吸着したPAHによる地下水汚染の可能性についてリスク評価を行い,汚染物質輸送においてコロイドの寄与が大きいことを示した.
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[Publications] Moldrup, P.: "Tortuosity, Diffusivity, and Permeability in the Soil Liquid and Gaseous Phases"Soil Science Society of America Journal. 65. 613-623 (2001)
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[Publications] 木下 昌晴: "降雨時における土壌カラムからのコロイド粒子の流出挙動"土木学会論文集. 678/VII-19. 111-122 (2001)
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[Publications] Gamst, J.: "Time-dependent Naphthalene Adsorption and Sorption Isotherm Parameters for Differently Textured Soils"Soil Science Society of America Journal. (in press). (2002)
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[Publications] Moldrup, P.: "Gas Diffusivity in Undisturbed Volcanic Ash Soils : Test of Soil-Water Characteristic Based Models"Soil Science Society of America Journal. (in press). (2002)
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[Publications] Schelde, K.: "Diffusion-limited Mobilization and Transport of Natural Colloids in Macroporous Soil"Journal of Vadose Zone Hydrology. (in press). (2002)