2002 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド型高靭性セメント系複合材料の開発とその構造的利用に関する研究
Project/Area Number |
12555157
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三橋 博三 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90091751)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 佳生 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60312617)
大塚 浩司 東北学院大学, 工学部, 教授 (10048803)
桐越 一紀 東北大学, 工学部, 教務職員 (60240660)
石原 誠一郎 (株)淺沼組, 技術研究所・建築構法研究室, 課長
福山 洋 独立行政法人建築研究所, 国際地震工学部, 主任研究員
|
Keywords | セメント系複合材料 / ハイブリッド複合材 / スチールコード / 有機繊維 / 高靭性 / エネルギー吸収部材 / 付着ひび割れ / せん断破壊 |
Research Abstract |
繊維とマトリックスの適切な組合せにより、幅の狭いひび割れを多数発生・分布させることによって、擬似ひずみ硬化を示し、優れた変形性能を有する高靭性セメント系複合材を実現し、構造部材の構成材料として利用することを検討した。本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 1).ハイブリッド複合材料の高靭性化を実現するために、繊維の長さや量の変化並びにそれらの組み合わせの影響について検討し、ワーカビリティーの面からもより現実的な材料調合設計を見出した。 2).高靭性セメント系複合材料に埋め込まれた異形鉄筋の両引き一軸引張試験を行い、X線造影法によってひび割れ挙動を観察すると共に複合材料が鉄筋の付着特性に及ぼす影響について検討した。いわゆるテンションステイフニング効果がより顕著に現われると共に、鉄筋降伏後も複合材料の引張抵抗分が加算されることを明らかにした。 3).高靭性セメント系複合材料で作られたはりのせん断試験を行い、その力学挙動を調べると共に、X線造影法によってひび割れの発生・進展過程を詳しく観察し、破壊のメカニズムについて考察した。 4).ハイブリッド型高靭性セメント系複合材料を用いた柱型のエネルギー吸収部材のせん段加力実験並びにFEM解析を行い、部材の形状や補強鉄筋との相乗効果について考察した。その結果、テーパー付変断面柱型部材にX形配筋を施した部材が優れた靭性能を示すと共にひび割れの分散によって損傷が軽徴のままの状態を保つことができることを明らかにした。 5).上記のテーパー付変断面柱型部材を並べて用いることにより、スリットウォールと同様の形で利用することが可能となる。更に、これら部材間に他種の複合材料のエネルギー吸収要素をはさみ込むことにより、入力地震動のレベルに応じてエネルギー吸収機構を変更可能な新しい構造システムが可能になることを明らかにした。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] H.Mihashi: "Development of Hybrid Fiber Reinforced Cementitious Composites"Proc. of fib 2002 OSAKA. CD-ROM. (2002)
-
[Publications] A.Kawamata: "Material Design of Hybrid Fiber Reinforced Cementitious Composites"Proc. JCI Int. Wokshop on Ductile Fiber Reinforced Cementitious Composites. 85-94 (2002)
-
[Publications] K.Otsuka: "Observation of Multiple Cracking on Micro and Meso Level"Proc.JCI Int. Workshop on Ductile Fiber Reinforced Cementitious Composites. 189-198 (2002)
-
[Publications] H.Mihashi: "Multiscale Approach for Development of High Performance Cementitious Composite Materials"International Symposium on Advances in Building Technology. CD-ROM. (2002)
-
[Publications] 金指 成昭: "RC片持ち梁のせん断補強による拘束効果に関する数値解析的研究"日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸). C-2、構造. 23-24 (2002)