2000 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー吸収機能を有する接合要素を用いた高信頼性制震システムの開発
Project/Area Number |
12555159
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 一郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (40029294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 暢芳 新日本製鐵(株), 鋼構造研究開発センター, 主幹研究員
吹田 啓一郎 京都大学, 工学研究科, 助手 (70206374)
上谷 宏二 京都大学, 工学研究科, 教授 (40026349)
岡田 忠義 新日本製鐵(株), 鋼構造研究開発センター, 主任研究員
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Keywords | 鋼構造 / 接合部 / 制震ダンパー / 実大実験 / 高カボルト接合 / H形鋼 / 耐震性能 |
Research Abstract |
施工時の品質を安定・向上させ,高度の耐震性能を保有する鋼構造建築物架構を実現するため,低降伏点鋼のダンパー接合要素によってH形断面柱とH形断面梁を剛接合した構造システムを提案し,システムの実現に必要な以下の要素研究を行った. (1)高力ボルトによりH形断面柱に取付可能な方杖型のエネルギー吸収機能を持つダンパー接合要素を組み合わせた柱梁接合形式を考案した.このダンパー接合要素の軸方向変形と塑性化によって決まる柱梁接合部の剛性と耐力を評価するための力学モデルを考案し,これに基づく評価方法の定式化を行った.さらに,この評価方法を使ったダンパー接合要素の設計手法を考案すると共に,ダンパー接合要素を用いた実大実験用の柱梁部分架構を設計・製作した. (2)ダンパー接合要素を使った柱梁接合部の実大載荷実験を行い,大地震時に想定される架構の応答に相当する層間変形角1/50radと,これを超える大変形領域に相当する1/25radの振幅で静的に繰り返し載荷して柱梁部分架構の履歴挙動を調べた.この実験から本システムの終局状態までの履歴特性が安定した良好なエネルギー吸収能力を保有するものであることを確認するとともに,接合要素の使用限界,終局限界,弾性剛性などの諸元値について,力学モデルと評価方法の妥当性を実験的に検証し,実用的な精度で本システムの評価可能であることを確認した. (3)本鋼構造システムを使った鋼構造架構の製作工程,ならびに現場建方や超高力ボルトの締結作業管理などの施工に関する事項を整理し,作業性の高いボルト締付機の開発と施工計画の策定を行った.
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