2002 Fiscal Year Annual Research Report
円筒状湾曲グラファイトを使ったハモス型X線マイクロアナライザーの試作
Project/Area Number |
12555170
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松原 英一郎 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90173864)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇治原 徹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60312641)
櫻井 雅樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80235225)
中嶋 一雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80311554)
|
Keywords | グラファイト集光素子 / X線マイクロアナライザ / 蛍光X線 / 湾曲グラファイト / マキシマムエンドロピー法 / 画像処理 |
Research Abstract |
試料のある点から発生する蛍光X線が、その点を通る軸の周りに円筒状に湾曲させた単結晶によって回折される結果、再び円筒軸上の回折条件を満足する点に集光する現象を利用して、試料上の元素マッピングを行うための装置、いわゆるX線マイクロアナライザー装置を試作した。この装置の試作のために、(1)十分な曲率半径を持つ湾曲結晶の製作、(2)結晶、試料、検出用イメージングプレートを保持し、光軸調整を簡便に行うための装置の製作、(3)得られた画像を処理するためのソフトの開発を行った。一番目の課題を達成するために、松下電器産業(株)が開発したポリイミドフィルムを何重にも重ね高圧下で焼結することによってグラファイト化させ、グラファイト単結晶を作製する技術を用いた。この方法により、松下電器産業(株)と共同で曲率半径が20mmという極めて大きい半径の円筒状グラファイト単結晶を作製することに成功した。二番目の課題は、X線管球からのX線を受け、試料から発生する蛍光X線を結晶で分光できるように、試料・グラファイト結晶・イメージングプレートを直線的に配置した装置を製作し、蛍光X線による画像の結像に成功した。3番目の課題は、マキシマムエントロピー法を使った画像解析プログラムを作成し、画像の解像度の改良を試みた。膨大な画像データを計算するには多くの計算時間を必要としたが、ある程度の像の解像度の改善に成功した。この技術の実用化には、まだ詳細を詰める必要があるが、実用化に向けて基礎的なデータ蓄積をすることができた。また、ここで開発したハモス型グラファィト単結晶を用いて、蛍光X線ホログラムが効率よく測定できることも確かめた。これにより、放射光を用いなくても、実験室の強力X線発生装置により測定が可能になった。本研究成果の応用として注目される。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] K.Hayashi, Y.Takahashi, E.Matsubara: "Refinement of X-ray fluorescence holography for determination of local atomic environment"Materials Transactions. 43. 1464-1468 (2002)
-
[Publications] K.Hayashi, Y.Takahashi, E.Matsubara, et al.: "X-ray fluorescence hologram data collection with a cooled avalanche photodiode"Physics Research B. 196. 180-185 (2002)