2001 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和機能を有する水溶性チタン・ニオブ・タンタル・ビスマス錯体の設計と用途開発
Project/Area Number |
12555177
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
垣花 眞人 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (50233664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PETRYKIN Valery 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 外国人特別研究員
加藤 真吾 フルウチ化学株式会社, 研究開発部門, 研究員
佐々木 聡 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (10162364)
長田 実 科学技術振興事業団, さきがけ研究21, 研究員 (10312258)
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Keywords | 水 / チタン錯体 / クエン酸 / 低環境負荷 / 水溶性錯体 / 環境調和機能 |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来から広く使われている(Ti・Nb・Ta・Bi)原料の間題点(高価、不水溶性、危険、有毒)を解決し、水に安定に溶け毒性のない安全な新しい(Ti・Nb・Ta・Bi)含有化合物を設計・合成し、その用途開発を進めることである。特に、『水』が使えしかも生体に害の少ない有用チタン金属錯体を化学設計し、これを産業界で現在大量に使われている高価で毒性のある難水溶性チタン金属化合物の代替とした環境調和型水溶液プロセスを犀開した。 平成13年度には以下の研究実績を得た。 (1)水溶性チタン-乳酸錯体の開発 金属チタンを過酸化水素水で処理してペロキソ化した後、ここに乳酸を添加して水に可溶なチタン-乳酸錯体を合成した。単離単結晶金属錯体の元素分析ならびに熱分析を行い、また固体13C-NMR及び偏光ラマン散乱の測定を実施し、組成ならびに配位様式を明らかにした。 (2)チタン-乳酸錯体の構造決定 新しいチタン錯体がなぜ水溶性であるかを知るためには構造化学的な詳細な知見が必須であるので、チタン-乳酸錯体を単結晶として育成し、X線回折による構造解析を実施し、チタンに配位し安定な構造を与える分子内の結合の本質を考察し、水溶性錯体を設計する指導原理を構築した。 (3)水溶性チタン錯体を用いた機能性酸化物の合成 水溶性チタン錯体を出発原料に用い、水を溶媒とした安価な薄膜・超微粒子製造法を検討した。TiO_2薄膜を作製し、その光触媒機熊を調べるとともに、Bi_4Ti_3O_<12>やPbTiO_3など各種強誘電体薄膜を新法で合成し、従来法で合成した結果と比較した。その結果、水を溶媒に用いた環境調和型プロセスを構築できることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Kakihana: "Peroxide Based Route Free from Halides For the Synthesis of Lead Titanate Powder"Chemistry of Materials. 13. 1181-1184 (2001)
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[Publications] M.Kakihana, V.Petrykin, M.Osada: "Structure and Stability of Water Soluble (NH_4)_8[Ti_4(C_6H_4O_7)_4(O_2)_4]-8H_2O"Inorganic Chemistry. 40. 891-894 (2001)
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[Publications] M.Kakihana: "Chemical synthesis of lithium niobate powders (LiNbO_3) prepared from Water-soluble DL-malic acid complexes"Chemistry of Materials. 13. 1905-1909 (2001)