2001 Fiscal Year Annual Research Report
ゾル・ゲル法と遠心力処理を組み合わせたプロセスによる傾斜ガラスの作製とその物性
Project/Area Number |
12555180
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
真下 茂 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 助教授 (90128314)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊原 博隆 熊本大学, 工学部, 教授 (10151648)
|
Keywords | 遠心力 / ゾル・ゲル / 沈降 / 傾斜材料 / ガラス / 拡散 / コロイド / セラミックス |
Research Abstract |
固体中で原子の沈降を起こすためには100万gレベルの重力場を発生しなければならないが、ゾルではコロイド粒子の原子量が大きいので10万g以下の弱い重力場でも沈降が起こり、分子スケールで傾斜構造を形成することが可能である。また、ゾル・ゲル法によるガラスの製造では熔融法に比べて格段に低い焼成処理によって製造が可能である。筆者らは平成9,10年度の科研費萌芽的研究の援助を得て、ゾル・ゲル法と重力場を組み合わせることによって分子スケールの傾斜構造SiO_2-TiO_2ガラスを製作することに成功した。 本研究はこれまでの研究を発展させ、実用化をめざして任意の形状で分子スケールの傾斜構造を持つガラスを製造する技術を確立することを第一の目的とし、特に光電子物性などの応用につながる傾斜ガラスの創製をめざしている。平成12年度は、40-80℃で温度を精密に制御でき、加速度方向と容器軸方向を一致させ最大3万gで連続運転できる恒温装置付高速遠心機を製作し、性能を確認した。平成13年度はクラックの発生を防ぐためにSiO_2-TiO_2系ガラスで触媒、遠心処理条件を変えた実験を行い、加水分解時間と遠心処理の改良によってクラックがこれまでの半分以下の傾斜ガラスが得られ、また、他の二成分系のガラスの作製条件を探った。さらに、微小領域の構造や光物性を調べるために購入したフーリエ変換赤外顕微装置などを用いてSiO_2-TiO_2傾斜ガラスを調べた。この結果、赤外吸収スペクトルから吸収端の連続的な変化が観察され、得られた傾斜ガラスは分子スケールで連続的に傾斜していることが確認された。今後、応用展開をはかるために様々な物性を調べるとともに、特に遷移金属系を含む他の系も対象としていく計画である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 西原正通, 真下茂, 他: "高動場とゾル・ゲル法を用いたSiO_2-TiO_2系傾斜ガラスの作製"粉体および粉末冶金. 47. 1201-1204 (2000)
-
[Publications] 西原正通, 真下茂, 他: "Molecular graduation in glass by using Rgh gravity -Novel method of Si-Ti graded glass preparation-"Centrifugal Materials Processing IV. 159-161 (2002)