2000 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド-炭化珪素複合焼結体のHIP焼結と超硬工具への応用
Project/Area Number |
12555182
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
和田 隆博 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20309115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大高 理 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40213748)
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Keywords | ダイヤモンド / SiC / Si / 複合焼結体 / HIP / 反応焼結 / 超硬工具 / 抗折強度 |
Research Abstract |
現在製造されているダイヤモンドとSiCからなる複合焼結体はベルト型装置等の固体圧縮装置でダイヤモンドの熱力学的安定領域(1500℃・5GPa近傍)で作製されている。我々は市販品と類似の機能を持つ焼結体を、HIP装置を用いて作製する実験を行った。ダイヤモンドとSiの混合粉体を原料とし、1500℃・200MPa以下の条件でHIP処理した。得られた焼結体についてHIP条件、原料のダイヤモンド粒径、混合割合の違いが抗折強度、組織、密度に与える影響について検討した。 平均粒径3、12、25μmのダイヤモンドと13μmのSi粉末をダイヤモンド含有率が40、50、60、70、80、90wt%となるように湿式混合、乾燥、造粒し反応容器に充填した。封入用ガラス管に反応容器を挿入し0.4Pa以下でガラスの軟化温度まで加熱してから真空封入し、その後HIP処理した。HIP処理条件は温度(1400、1450、1500℃)、圧力(50、100、200MPa)、保持時間(5、30、120分)で行った。 その結果、1)今回のHIP処理条件の範囲では、同じ粒径のダイヤモンドで同一組成比の原料粉末を用いた場合、温度、圧力、保持時間の違いが焼結体の抗折強度には顕著な影響を与えず、原料中のダイヤモンド含有率が80wt%の焼結体では平均588MPaが得らた。組織観察から、HIP処理温度が高い方が、又保持時間の長い方が未反応Siが減少し、反応生成物であるSiCが増加することがわかった。圧力の違いによる組織の差は見られなかった。2)反応生成物SiCのビッカース硬さは平均で24.8GPaを示した。3)原料中のダイヤモンド含有率が増加するに従い未反応Siの減少と残留ダイヤモンド、反応生成物SiCの増加が認められた。その結果得られた試料の相対密度が大きくなり、抗折強度も高くなった。4)原料粉末中のダイヤモンド含有率が80wt%と同じでも用いたダイヤモンド粒径が25μmより12μm、あるいは25μmのダイヤモンドを60wt%と3μmのダイヤモンドを20wt%を併用したほうが未反応Siが減少し反応生成物SiCの増加が認められ、試料のみかけ密度が大きくなり抗折強度が高くなった。5)試料の組織は等方的で、個体圧縮によって作製した試料にしばしば見られる異方性は確認できなかった。また、次年度から実施する耐圧強度評価実験のための準備を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Kohara,S.Nishiwaki,T.Negami,T.Wada: "Physical Vapor Deposition of Hexagonal and Tetragonal CuIn5Se8 Thin Films"Jpn.J.Appl.Phys.. 39. 6316-6320 (2000)
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[Publications] N.Kohara,S.Nishiwaki,Y.Hashimoto,T.Negami,T.Wada: "Electrical Properties of the Cu(In,Ga)Se2/MoSe2/Mo structute"Solar Energy Materials and Solar Cells. 67. 209-215 (2001)
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[Publications] S.Nishiwaki,T.Satoh,Y,Hashimoto,T.Negami,T.Wada: "Preparation of Cu(In,Ga)Se2 Thin Films at Low Substrate Temperatures"J.Mater.Res.. 16. 394-399 (2001)
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[Publications] A.Tani,C.Yamanaka,M.Ikeya,O.Ohtaka and T.Katsura: "ESR study of a new electron center in synthetic stishovite, a high-pressure polymorph of silica"Appl.Magn.Reson.. 18. 559-564 (2000)
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[Publications] A.Yoshiasa,M.Okube,O.Ohtaka,O.Kamishima,Y.Katayama: "Anharmonic Effective Pair Potentials of g- and a-CuBr at High Pressure"Jpn.J.Appl.Phys.. 39. 6747-6751 (2000)
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[Publications] O.Ohtaka,A.Yoshiasa,H.Fukui,M.Murai,M.Okube 他3名: "Structural changes of quartz-type crystalline and vitreous GeO2"J.Synchrotron Rad.. 8. 791-793 (2001)