2002 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド-炭化珪素複合焼結体のHIP焼結と超硬工具への応用
Project/Area Number |
12555182
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
和田 隆博 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20309115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細見 暁 トーメイダイヤ(株), 小山工場, 工場長
大高 理 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40213748)
下埜 勝 龍谷大学, 理工学部, 実験講師 (30319496)
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Keywords | ダイヤモンド / 炭化珪素 / SiC / Si / 複合焼結体 / HIP / 反応焼結 / 超硬工具 |
Research Abstract |
1."ダイヤモンド/炭化珪素複合体の工業材料への応用" 作製した焼結体は体積弾性率がダイヤモンドに近いことから、高圧アンビルとしての応用を検討した。10mm角の立方焼結体8個を作り、これを組み合わせた川井型分割球高圧装置によって塩化ナトリウムと金を圧縮し、X線その場観察を行った。結果の解析から1次圧410tonで試料内に30GPaの圧力発生を確認した。圧力解放後のアンビルに損傷はなく、繰り返し使用への道も開けた。またこのアンビルはX線を透過するので、加圧下の試料を透視出来ることが分かり、超高圧下の物性測定に新しい方式を開いた。 2."焼結機構の解明" 空孔のない強固な焼結体は1400℃以上の熱処理を施した場合に生成することが明らかになった。焼結機構として、温度が1400℃を超えるとまず珪素が溶融を始めて流動性を増し、これがダイヤモンドの間隙に浸透しながら炭化珪素を形成して行く液相焼結過程を辿ったと考えられる。合成の際の圧力条件が高圧相の熱力学的安定領域より低いにも拘らず、HIP処理によってもダイヤモンドが低圧相である黒鉛へ変換せず、ダイヤモンドと炭化珪素の強固な複合体を作ることができた。これは反応に関与する物質の結晶構造がすべてダイヤモンドあるいはそれと類似のセンアエン鉱構造であり、これ以外の構造が出現することなく反応が終了するために、低圧相の核発生が防がれ、高圧相が存続したと解釈される。 3."まとめ" ダイヤモンドの熱力学的安定域より低い圧力領域で珪素と炭化珪素から成るカプセルに収めたダイヤモンド粉末をHIPして強固なダイヤモンド/炭化珪素複合焼結体を合成した。この方法を応用して高圧アンビルを作成し、30GPaの圧力発生を果たした。これにより研究の当初の目標はほぼ達成された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Kashima, K.Inoue, T.Wada, Y.Yamaguchi: "Low Temperature Neutron Diffraction Studies of Sr_2FeMO_6(M=Nb, Sb)"Applied Phys.. A74. S805-S807 (2002)
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[Publications] T.Wada, A.Fukui, Y.Matsuo: "Preparation of (K_0.5Bi_0.5)TiO_3 Ceramics by Polymerized Complex Method and their Properties"Jpn.J.Appl.Phys.. 41. 7025-7028 (2002)
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[Publications] T.Wada, et al.: "Use of Diethylselenide as a Less-hazardous source for preparation of CuInSe_2 photoabsorbers by selenization"J.Crystal Growth. 243. 404-409 (2002)
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[Publications] M.Shimono, T.Wada, S.Kume, O.Otaka: "HIP-processing of Diamond Compact"CIMTEC 2002. Part C. P.Vincenzini(Editor). 525-532 (2003)
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[Publications] O.Otaka et al.: "Phase Relation and EOS of ZrO_2 and HFO_2 under High-Temperature and High-Pressure"High Pressure Research. 22. 221-226 (2002)
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[Publications] O.Otaka et al.: "Anharmonicity of gold under high-pressure and high-temperature"Solid State Com.. 121. 235-239 (2002)