2001 Fiscal Year Annual Research Report
原子サイズの機械加工-原子直視観察と応力直接測定-
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12555198
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木塚 徳志 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 講師 (10234303)
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Keywords | 材料力学 / ナノテクノロジー / ナノメートル構造 / 原子直視観察 / 応力測定 / 高分解能透過電子顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高分解能透過電子顕微鏡の試料室で、先端径数ナノメートルの工具を、ピエゾ素子を用いて駆動し、原子サイズの切削・接合・変形・破断などの機械加工を行い、原子配列変化と応力・歪み関係を、その場で同時に観察し、その加工機構を明らかにする手法を開発することである。特に、実験的な原子直視観察と応力直接測定を同時に達成することが、本研究の主眼である。 本年度は昨年度作製した透過電子顕微鏡試料室およびそれに付随する各装置の最適化をはかった。具体的な内容は、以下の通りである。 (1)ピエゾ素子駆動方式を採用し、応力を検出する際に使用する片持ちレバーを先端に付けられるようにした試料ホルダーに、試料を取り付け、その動作を観察した。試料は金属と半導体を選び、機械研磨およびイオン照射研磨によって作製した。駆動時の変位分解能が0.05nm程度になるように設計したピエゾの動作を観察した。 (2)加工工具が試料と接触している面積を、電気的に検出できるようにするために作製した電気回路の動作を確認した。 (3)試料を最適分解能が得られる観察位置に移動するゴニオメーターの変位分解能を測定した。 (4)工具を支持している片持ちレバーの歪み量を、光反射方式で検出し、レバーの弾性率より応力の値を得る装置の応力検出感度を調べた。最終的には、ピコニュートンの力を検出できるように調整することができた。検出信号を、コンピューターで処理するために作製した増幅器等の電気回路の動作を確認した。 (5)作製したポールピースと磁界レンズの性能を確認するために、高分解能観察を行った。原子レベルの空間分解能が得られるように調整した。 この他、この試料室に付随する関連装置の最適化をはかり、次年度に最終目的に合致した実験を実施できるように、準備を進めた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kizuka: "Direct atomistic observation of a contact process between crystalline silicon surfaces at room temperature"Phys.Rev.. B63. 033309 (2001)
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[Publications] T.Kizuka: "Structural evolution of magnesium oxide clusters under electron irradiation"Jpn.J.Appl.Phys.. 40. L1061-L1064 (2001)
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[Publications] T.Kizuka et al.: "Simultaneous Observation of Millisecond Dynamics in Atomistic Structure, Force and Conductance on the Basis of Transmission Electron Microscopy"Jpn.J.Appl.Phys.. 40. L170-L173 (2001)
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[Publications] T.Kizuka et al.: "A single vacancy chain and its bundle in magnesium oxide as line type lattice defects"Jpn.J.Appl.Phys.. 40. 428-429 (2001)
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[Publications] T.Kizuka et al.: "Three-dimensional imaging of carbon nanotubes"Jpn.J.Appl.Phys.. 40. L56-L58 (2001)
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[Publications] T.Kizuka et al.: "Metal-insulator transition in single atom gold wires"Jpn.J.Appl.Phys.. 40. L71-L74 (2001)