集束超音波による溶湯清浄度のオンラインモニタリング

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12555207
• Research Institution: Nagaoka University of Technology
• Principal Investigator: 井原 郁夫 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (80203280)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 伊藤 吾朗 茨城大学, 工学部, 助教授 (80158758)
• Keywords: 超音波 / 溶融金属 / オンラインモニタリング / 清浄度 / 介在物 / 高温センサー / 波動伝播シミュレーション

Research Abstract

溶湯清浄度の定量的オンラインモニタリングを実現するための高分解能超音波計測システムの開発を行った.得られた主な結果は以下のとおりである.
(1)集束超音波センサーの設計・製作
溶湯中での高分解能超音波計測を可能にする超音波センサーの開発のキーポイントは,高温環境に耐え,かつ,超音波伝播特性に優れたバッファーロッドを設計・製作することである.本研究ではそのようなバッファーロッドを設計するために,差分法を用いた波動伝播シミュレーションによるバッファーロッド内の超音波伝播解析を系統的かつ詳細に行った.さらに,同手法を用いて音響レンズによる超音波集束性能を調べた.このような基礎検討に基づいて試作した金属性バッファーロッドを用いることで,Trailing echoesの無い(SN比35dB以上)理想的なパルスエコー計測が実現できた.
(2)計測システムの構築
超音波パルスエコー計測・解析システムを汎用グラフィカルソフトウェアLabVIEWを用いて構築した.これにより30Waves/secのリアルタイム計測が可能となった.
(3)集束超音波センサーの評価
600℃の溶融亜鉛を用いて,開発した集束超音波センサーの測定空間分解能,安定性およびぬれ性を調べた.音響レンズにより超音波は約一波長の微小領域に良好に集束すること,約3時間の連続計測に耐え得ること,さらにセンサーと亜鉛界面での良好な超音波エネルギー伝播(ぬれ性良好)が確認された.
以上のように,本年度の研究により,溶湯清浄度評価のためのセンサー開発がほぼ完了した.

Research Products

• [Publications] I.IHARA,C-K.JEN,and D.RAMOS FRANCA: "Materials Evaluations in Molten Metal Using a Focused Ultrasonic Sensor"Proc.of the Second International Symposium on Eco-Materials Processing & Design. (2001)
• [Publications] 井原郁夫,阿曽浩,古口日出男,Cheng-Kuei Jen: "苛酷環境用超音波センサーの開発-波動伝播シュミレーションによる設計支援-"第21回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム講演論文集. 133-134 (2000)
• [Publications] 井原郁夫,阿曽浩,古口日出男,五十嵐龍太郎,Cheng-Kuei Jen: "溶融金属の清浄度評価のための高温超音波センサーの開発"日本非破壊検査協会平成12年度秋季大会講演概要集. 207-208 (2000)