2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12555210
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大坪 泰文 千葉大学, 工学部, 教授 (10125510)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
枝村 一弥 有限会社新技術マネイジメント, 代表取締役
|
Keywords | 電気流体力学効果 / ジェット噴流 / 流体デバイス / 絶縁性液体 / 液体モーター / インクジェット / エレクトロレオロジー |
Research Abstract |
誘電性液体に直流高電場を印加すると、電極から秒速1m以上の高速ジェット噴流が発生する。本研究は、このジェット噴流の発生メカニズムとその制御法を確立し、新規な流体デバイスを開発するための設計基準を構築することを目的とする。 1.外部電場により液体の粘度が変化する現象をエレクトロレオロジー(ER)効果という。ER効果を示す典型的な流体は微粒子分散系であることが知られているが、粒子が存在しなくてもこの高速ジェット流を制御すると粘度増加をもたらすことを明らかにした。しかし、このためにはこれまでは電極に繊維を植毛することが不可欠であった。植毛電極におけるER効果と液体物性との関係について検討した結果、繊維を用いなくても通常の平板電極で顕著な粘度増加を示す流体を調製することに成功した。 2.針状電極とノズルとからなるモデルインクジェット素子を試作し、その性能に及ぼすノズルの幾何学とインク物性との関係について検討した。針状電極の直径を0.1mm、ノズル直径を0.2mm程度にまで細くすると、直流電圧10kVで高さが30cm以上のジェット流を発生できることを明らかにした。また、粘度が3×10^<-3>Pas以下、導電率が10^<-9>〜10^<-7>Sm^<-1>の範囲にある流体を用いると高性能のインクを調製できることを示し、ジェット用インクの設計基準を明らかにした。 3.針状電極の先端から発生するジェット流の微視的流れ場を解析した結果、電極先端の曲率半径はジェット流の速度と密接な関係があり、その制御のためには数十nmの精度で電極先端の曲率半径を調整しなければならないことを明らかにした。
|
Research Products
(1 results)