2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12555233
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北森 武彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60214821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
火原 彰秀 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30312995)
久本 秀明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00286642)
渡辺 訓行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20011116)
渡慶次 学 (財)神奈川科学技術アカデミー, インテグレーテッドケミストリープロジェクト, 研究員 (60311437)
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Keywords | 暗視野 / 熱レンズ顕微鏡 / パームトップ / 光熱変換効果 |
Research Abstract |
本研究は熱レンズ顕微鏡の更なる超高感度化と実用化を視野に入れ、暗視野光熱変換顕微鏡と可搬性の高いパームトップサイズ熱レンズ顕微鏡を開発することを目的とする。 1.暗視野光熱変換顕微鏡の開発 市販の生物顕微鏡を励起光と検出光の2本のレーザー光を導入できるように改良して、暗視野型光熱変換顕微鏡を作製した。作製した暗視野光熱変換顕微鏡を用いて励起光吸収用色素を内包したポリスチレン(80nm)粒子分散水を測定したところ、セル壁面で光が散乱され、原理的にバックグランドフリーである暗視野配置で高いバックグランド信号が発生していることがわかった。これを解決するために対物レンズと光検出器の間にピンホールユニットを作製し、セル壁面からの散乱光を排除して焦点付近からの光のみを通過・検出する(擬似共焦点配置)ようにした。これによりバックグランドを4桁低減することに成功した。 2.パームトップサイズ熱レンズ顕微鏡の開発 熱レンズ顕微鏡を小型化するためには、光源や光学系の小型化が必要である。熱レンズ顕微鏡の構成要素である励起光と検出光の焦点差を調整する機構と対物レンズを、色収差を持つ円筒形微小レンズに置き換えた新しい光学システムを設計し、作製した。既存のシステムと比較し、作製したシステムを評価したところ、小型レンズを用いた場合に特有のノイズが発生することを見いだした。今後、微小レンズ固定法の改良によりこのノイズを低減する予定である。
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