2000 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学検出型タンパクチップによるタンパクのハイスループットスクリーニング
Project/Area Number |
12555236
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 誠 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90037739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 成夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00264078)
脇 道典 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30037212)
竹中 繁織 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60188208)
小川 雅司 富士写真フイルム株式会社, 機器事業部・サイエンスシステム, 研究員
近藤 寛樹 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (60038057)
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Keywords | タンパクチップ / 電気化学 / 金電極 / 静電的相互作用 / フェロセン |
Research Abstract |
タンパクチップはポストゲノムプロジェクトを支える技術として注目されている。タンパクチップは、チップ上に固定化された他種類のタンパクとの相互作用をハイスループットで分析する技術である。本研究では、タンパクチップの作成とタンパク相互作用を電気化学的に検出する手法を確立するのが目的である。 まず、タンパクチップ作成の前に予備的検討として、ペプチドを固定化した金電極を作成した。金電極表面に荷電数の異なるペプチド(Ac-CWKKKKKK-NH2、Ac-CWGGGGGG-NH2、Ac-CWDDDDDD-NH2)を合成した。ペプチドのアミノ酸配列には、溶液中で正電荷を持つLys、電荷を持たないGly、負電荷を持つAspを選んだ。また、チオールと金との相互作用を利用して電極表面に固定化するためにN末端にCysを導入した。さらにTrpを導入し、Trp残基の最大吸収波長280nmにおける吸光度を用いて、ペプチドの固定化量を決定することとした。 上記のペプチドを金電極表面に修飾し、フェロセンカルボン酸との相互作用を電気化学的に検出した。カチオン性ペプチド(Ac-CWKKKKKK-NH2)を固定化した電極の場合、アニオン性ターゲットであるフェロセンカルボン酸が静電的相互作用により電極上に濃縮され、フェロセンの酸化還元ピークが増大した。逆にアニオン性ペプチド(Ac-CWDDDDDD-NH2)の場合、ピークは減少し、ペプチドによるターゲットの阻害効果が示された。 さらに、ペプチド中にフェロセンを導入したものも合成し、ペプチド固定化電極を用いて酸化還元応答を調べた。その結果、ペプチド間の静電的相互作用が強いものほどフェロセンの応答電流が増加し、ペプチド同士の相互作用を電気化学的に検出することができた。
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