2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12555253
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
柳 日馨 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (80210821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 高英 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (60332962)
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Keywords | 一酸化炭素 / カルボニル化 / 光 / パラジウム触媒 / ジヒドロカプサイシン / ラジカル / 一級アルキルヨージド / γ-ラクトン |
Research Abstract |
本研究ではC1原料である一酸化炭素の有機分子への組込のために、従来法を凌駕する新しいカルボニル化の手法の確立と応用展開を目的としているが、最終年度に当たる本年度においては以下に示す成果を得た。 本年度においては光照射下に進行するハロゲン化アルキルの原子移動型カルボニル化反応の迅速効率化について集中的に検討した。これまでの結果では二級および三級基質において反応は効率的で一級基質においては反応効率が著しく劣っていたが、種々検討の結果パラジウム触媒の添加により、一級アルキルヨージドのカルボニル化への顕著な促進効果が認められた。また、シクロプロピルカルビニルヨージドとの反応において、顕著な加速効果とともに生成物が得られたが、この生成物はホモアリルラジカルへの開環後にカルボニル化されたと考えられるエステルのみであり、ラジカル反応が増強された結果と考えられる。光照射のみで進行する2級および3級基質においてもパラジウム種の添加効果は顕著であり、反応時間の大幅な短縮が果たされた。 本三成分型反応をとうがらしの辛み成分のひとつであるジヒドロカプサイシンの合成に応用したところ高収率で目的物を得た。また、γ-ラクトン環の効率合成にも成功した。さらに、光-パラジウム系を脂肪族ヨージド、一酸化炭素、アセチレンの三成分系に応用したところこれまでに一酸化炭素の取り込みによる方法において先例がないアルキルアルキニルケトンの合成にも成功した。
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