2001 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素により高められた環境適応型抗菌活性材料の開発
Project/Area Number |
12555255
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Research Institution | NARA NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
澤田 英夫 奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (50259909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉矢 正 日本化学工業株式会社, 主事
川瀬 徳三 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (60152956)
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Keywords | フッ素 / 抗菌 / 防汚性 / 環境適応型 / 高分子材料 / 表面改質 / プラスチック / セルロース |
Research Abstract |
本研究は、高い抗菌活性を示す部位を有した新しいフルオロアルキル基含有高分子化合物を合成し、これら化合物のフッ素に起因した優れた防汚性および高い抗菌活性について詳細に検討することを目的とするものである。すなわち、本研究ではこれらフッ素系機能性材料を我々の生活に密着した新しい環境適応型抗菌活性材料として、具体的には、繊維、プラスチック、壁紙等の住宅材料への表面改質剤としての応用に関して検討を行うこともその目的である。 平成13年度の研究では、カチオンセグメントとしてアンモニウムセグメントに注目し、アンモニウムセグメントを有する新しいタイプのフルオロアルキル基含有オリゴマー類の開発を行った。この含フッ素オリゴマー類は興味深いことに、フッ素に起因した高い防汚性以外に、他の含フッ素オリゴマー類には見られない極めて高い抗菌活性を示すことが見いだされ、これらの成果はイギリス化学会の学術誌[J. Mater. Chem.,vol.12,p188〜194(2002).]に発表を行った。さらに本研究において開発されたこれら一連の高い抗菌活性を示すフッ素系高分子化合物は、PMMA等の汎用のプラスチック以外にセルロースの表面改質へと応用させることができ、セルロース表面にフッ素に起因した高い界面活性な機能以外に抗菌活性をも付与させることができた。 このように、本研究により開発されたカチオンセグメントを有するフッ素系高分子化合物は、汎用のプラスチック以外に綿などの繊維、紙さらには木材等に代表されるセルロース系材料表面にフッ素に起因した高い界面活性な機能さらには抗菌活性をも付与させることが可能となった。従って、これら材料は我々の環境に適応した新しいフッ素系高分子菌活性材料として、今後種々の分野での応用が現実的なものとなることが確信される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 沢田英夫: "過酸化フルオロアルカノイルの反応性を利用したフルオロアルキル基含有オリゴマー類の合成と分子集合体形成"高分子論文集. 58. 147-160 (2001)
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[Publications] 沢田英夫: "フルオロアルキル基含有オリゴマー類により形成される分子集合体の機能"高分子論文集. 58. 255-266 (2001)
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[Publications] 沢田英夫: "フッ素系およびフルオロシリコーン系界面活性剤"油脂化学便覧第4版[丸善(株)]. 526-528 (2001)
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[Publications] H.Sawada: "Synthesis and Antibacterial Activity of Novel Fluoroalkyl End-capped Oligomers Containing Ammonium Segments : Application to New Fluorinated Gelling Materials with Antibacterial Activity"J. Mater. Chem.. 12. 188-194 (2002)