2000 Fiscal Year Annual Research Report
フォトブリーチング法によるポリマーEL素子の多色化
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12555263
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
城戸 淳二 山形大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50214838)
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Keywords | ポリマー / EL素子 / 蛍光色素 / フォトブリーチング / ポリ(N-ビニルカルバゾール) / ルブレン |
Research Abstract |
今年度はポリマーエレクトロルミネッセント(EL)素子の多色化に応用すべく、有機色素のフォトブリーチング(光劣化反応)に関する基礎的な検討を行った.具体的には、まずフォトブリーチング出来る蛍光色素の探索を行い、それらのフォトブリーチング特性を検討した。まず、ルブレンやジフェニルナフタセン(DPN)をポリ(N-ビニルカルバゾール)(PVK)中に分散した膜における光照射によるこれらの色素の蛍光性の変化について詳細に調べた。その結果、吸収波長の異なる色素を劣化させる場合には照射する光の波長によりその劣化速度は大きく異なり、ルブレンとナフタセンを同時に分散した膜では照射光の波長を選択することにより選択的に色素を劣化させられることが判明した。 以上の結果をふまえ、色素を分散したPVKを発光層に有するEL素子の作製を行った。まず、色素分散PVK膜を基板上に塗布し、フォトマスクを介して部分的に光照射し、選択的にルブレンを光劣化させた。次に、フォトマスクを移動させ、異なる波長でDPNも劣化させた.最後に電極を真空蒸着で形成し素子として.この素子に電圧印加すると基板上に青色発光、緑色発光、黄色発光する部分にパターニングされた発光を示した。従来法では塗布により単色の発光しか得られなかったが、今回は3色の発光を発現することに初めて成功した。来年度は赤色発光しかつ光劣化できる色素を用いて、赤、緑、青の光の三原色を本方法にて実現し、フルカラーディスプレイへと応用展開する。
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