2000 Fiscal Year Annual Research Report
組換え体植物を用いたヒト肝炎ウィルス抗体の効率的な生産法の開発
Project/Area Number |
12556003
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
島田 浩章 東京理科大学, 基礎工学部・生物工学科, 助教授 (70281748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 光一 農林水産省, 農業生物資源研究所, チーム長
千葉 丈 東京理科大学, 基礎工学部・生物工学科, 教授 (30100085)
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Keywords | B型肝炎ウィルス抗体 / 組換え体イネ / HBs結合活性 / 篩部特異的タンパク質 / 遺伝子発現 / レポーター / サトウキビ / 形質転換 |
Research Abstract |
組換え体植物で抗体を産生させるために、一般的なプロモーターを利用した抗体の産生条件の検討、効率的な生産のためのプロモーターの単離、物質生産の至適宿主の検討をおこなった。 すでに、B型肝炎ウイルス(HBV)感染の阻止能を有するヒトモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマT6Jの樹立、T6Jの抗体cDNAのクローニングと、その組換えFab断片と単鎖可変領域抗体断片(T6J ScFv)の大腸菌、培養細胞で産生することに成功している。CaMVの35Sプロモーターの下流にこのScFV cDNAを結合し、イネを形質転換して、独立のカルスに由来する4個体の形質転換体を得た。これらはすべて導入遺伝子の発現が認められた。4個体中の3個体では、T6J ScFvタンパクが検出され、HBsに対する強い結合活性が認められた。 一方、効率よい遺伝子発現法の確立を目指して、イネの篩部特異的タンパク質遺伝子の単離を試みた。イネcDNAライブラリーから2種類のcDNAクローン(Rpp16,Rpp17)を単離した。in situハイブリダイゼーションによって、これらの遺伝子が師部特異的であることを確認した。さらにこれらのゲノム遺伝子を単離し、プロモーターの下流にGUS遺伝子をつなぎ、イネを形質転換した。組換え体植物を用いてこれらの遺伝子の発現部位を同定した。 物質生産の宿主としてサトウキビが有望であると考えられたため、サトウキビの形質転換法の改良を試みた。国内4系統、海外3系統のサトウキビより2,4-D添加MS培地を用いてカルス誘導を行なった。その結果、一部の品種では置床後約1週間程度からカルスが誘導されはじめた。その後の増殖速度は系統間で差が見られ、農林1号および大島在来については約2ヶ月後で十分な増殖がみられたが、農林10号およびIN84-111についてはカルスの増殖が著しく遅かった。
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[Publications] H.Honda,H.Akagi,H.Shimada: "An isozyme of the NADP-malic enzyme of a CAM plant, Aloe arborescens, with variation on conservative amino acid residues"Gene. 243. 85-92 (2000)
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[Publications] T.Tuge,N.Inagaki,T.Yoshizumi,H.Shimada,T.Kawamoto,R.Matsuki,M.Matsui: "Phytochrome-mediated control of COP1 gene expression in rice plants"Mol.Gen.Genet.. (印刷中).
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[Publications] 浅野敬幸,島田浩章,高野誠,佐藤美帆,久保中央,西口正通,門脇光一: "イネにおけるカボチャ師部タンパク質遺伝子ホモログの発現解析"育種学研究. 2(別1). 68-68 (2000)