2000 Fiscal Year Annual Research Report
レーザードップラー法を用いた果実の熟度・品質測定システムの作成
Project/Area Number |
12556006
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
桜井 直樹 広島大学, 総合科学部, 教授 (90136010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元村 佳恵 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (50005609)
寺崎 章二 松下寿電子工業(株), 総合技術開発センター, 技師
村山 秀樹 山形大学, 農学部, 助教授 (40230015)
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Keywords | レーザードップラー / リンゴ / ナシ / ラフランス / 弾性率 / 粘性係数 / 共鳴周波数 |
Research Abstract |
西洋ナシ(ラフランス)を、収穫後2℃で貯蔵し、一定期間後に室温に戻して追熟させ、その軟化過程をレーザードップラー法で測定した。予備冷蔵しなかったラフランスは追熟後指数関数的に弾性率が低下していく。一定期間冷蔵貯蔵すると、冷蔵期間中にある程度の弾性率の低下が起こり、追熟させると更に弾性率が下がった。貯蔵4ヶ月経つと、従来法のレオメーターで測定した弾性率と、レーザードップラーで測定した値の間には相関が認められなくなった。すなわち、レーザードップラー法のほうが追熟中の弾性率の低下が先に現れた。第2共鳴周波数のピーク幅から計算した粘性率は、冷蔵中および、追熟中ほとんど変化せず、いわゆるラフランスのトロッとした舌触りを与えるメルティング質を粘性係数で評価することはできなかった。リンゴでは、西洋ナシのような指数関数的な弾性率の低下が見られず、直線的に低下した。リンゴは貯蔵中に果肉の粉質化、褐変化、ゴム様化、蜜褐変、ス入り、果芯褐変などの問題を起こす。これらの貯蔵中の変化をレーザードップラーで検出できるかを検討した。そのためには、まずこれらの変化を数値化せねばならない。果肉が褐変した部分の細胞壁の化学的成分を検討したが、それほど有意な差がなかった。一方、果肉を水中で一定時間振盪し、残った組織の割合から、粉質化の程度を見積もることができる可能性が示された。果肉中の部分的な弾性率の低下は、レーザードップラーの第3共鳴周波数で検出できる可能性があるので、今後この点を詰めたい。また、果実一個体の測定時間を0.25秒以内にするための、アルゴリズムの制作に取り組み、測定条件にもよるが、現時点で可能であることが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Terasaki,S.,N,Wada,N.Sakurai,N,Muramatsu.R.Yamamoto: "Nondestructive measurement of kiwifruit ripeness using a laser Doppler vibrometer."Transaction of American Society of Agriculture and Engineering. (印刷中). (2001)
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[Publications] Kotake,T.,N.Nakagawa,K.Takeda and N.Sakurai: "Auxi-induced elongation growth and expression of cell wall-bound exo- and endo-β-glucanase in barley coleoptil"Plant Cell Physiology. 41. 1272-1278 (2000)
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[Publications] Yakushiji,H.,N.Sakurai K.Morinaga: "Changes in cell-wall polysaccharides from the mesocarp of grape berries during veraison"Physiologia Plantarum. 111. 188-195 (2001)
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[Publications] Nishizaki,T.,A.Ito,Y.Motomura,M.Ito and M.Togashi: "Changes in fruit quality as influenced by shading of netted melon plants (cucumis melo L.'Andesu"and"Luster")"J.Japan.Soc.Hort.Sci.. 69. 563-569 (2000)
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[Publications] K.Nara,Y.Kato and Y.Motomura: "Involvement of terminal-arabinose and-galactose pectic compounds in mealiness of apple fruit during storage."Postharvest Biul.Tech. 20(印刷中). (2001)
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[Publications] 村山秀樹: "西洋ナシ(果実鮮度保持マニュアル)"流通システム研究センター. 133-135 (2000)