2000 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
12556017
|
|---|
| Research Institution | Osaka City University |
|---|
Principal Investigator |
谷口 誠 大阪市立大学, 理学部, 教授 (00047309)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼杵 克之助 大阪市立大学, 理学部, 講師 (30244651)
広津 建 大阪市立大学, 理学部, 教授 (10047269)
田中 俊雄 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (10137185)
阪中 治 明治製菓(株), 薬品技術研究所, 主任研究員
植木 雅志 理化学研究所, 抗生物質研究室, 研究員 (90312264)
|
|---|
| Keywords | 抗真菌作用 / 呼吸阻害 / 構造活性相関 / 9員環ジラクトン |
|---|
| Research Abstract |
新規9員環ジラクトンUK-2A、および、その構造類似体である呼吸阻害剤antimycin(AA)は共に強力な抗真菌活性を有するが、UK-2Aの動物細胞に対する低毒性が何に由来するのかを明らかにすべく検討した。まず、種々ミトコンドリアの呼吸鎖複合体IIIでの電子伝達を阻害することを確認した。ついで、ウシ心筋ミトコンドリアから調製した亜ミトコンドリア顆粒を用いて、チトクロームbcl複合体の差スペクトラムを測定したところ、UK-2AとAAで異なり、複合体IIIにおける阻害様式に明らかな違いのあることがわかった。
UK-2Aの活性発現に必要な部分構造を描出すべく、9員環ジラクトン部を直鎖アルキル基(炭素数4,8,12,16)やイソプレニル基に置換した誘導体をいくつか合成した。さらに、2-hydroxylnicotinic acid、3-hydroxylpicolinic acid、3-formylaminosalicylic acidからも同様のアナログを合成した。これら誘導体の抗菌活性を評価したところ、いずれもUK-2AやAAよりも弱いものであったが、炭素数8の直鎖アルキル誘導体が比較的良好な活性を示した。標的蛋白チトクロームbは膜貫通型であるので、阻害剤は細胞膜中に溶け込んで阻害部位までたどり着かなければならず、直鎖アルキル部の疎水性度が重要な役割を果たしていることを示唆している。
ある糸状菌が産生する多糖はUK-2Aの菌体外生産を促進した。また、UK-2A、および、その誘導体の1つは圃場試験において、稲イモチ病のみならず小麦サビ病に著効を示した。それらの詳細は現在継続して検討中である。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] M.Ueki,K.Machida,and M.Taniguchi: "Antifungal inhibitors of mitochondrial respiration : Discovery and prospects for development"Current Opinion in Anti-infective Investigational Drugs. Vol.2No.4. 387-398 (2000)
