2001 Fiscal Year Annual Research Report
無辛味トウガラシ由来カプサイシン類縁体の生理機能の解明と新規機能素材としての応用
Project/Area Number |
12556019
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伏木 亨 京都大学, 農学研究科, 教授 (20135544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 秀一 森永製菓(株), 研究所, 研究室長
渡邉 達夫 静岡県立大学, 食品栄養学部, 助教授 (10210915)
矢澤 進 京都大学, 農学研究科, 教授 (90026550)
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Keywords | カプシエート / カプサイシン / トウガラシ / CH19sweet / 体脂肪蓄積抑制 / 体温上昇 |
Research Abstract |
トウガラシの辛味成分であるカプサイシンには副腎からのアドレナリン遊離作用、交感神経活度の上昇、産熱、長期間投与による体脂肪蓄積抑制など様々な生理作用が報告されているが、強い辛味のために人間への応用は困難であった。近年、矢澤らは、辛味のないトウガラシ品種を選抜固定し、CH19Sweetと命名した。CH19Sweetにはカプサイシンはほとんど含まれないが、カプサイシンと構造が類似した物質であるカプシエートが大量に含まれていた。本研究では、ヒトおよびマウスを用いて、CH19Sweetおよびカプシエイトがカプサイシンと同様の生理作用を発現することを明らかにした。 21-36歳の健康な男女11名を被験者にして、CH19Sweet果実体および対照として無辛味のCalifornia-Wandarを0.1g/kg体重摂取させ1時間にわたって酸素消費量と体温を測定した。被験者の鼓膜温はCH19Sweet投与によってわずかに上昇し、首と顔の表面温が対照に比べ顕著に上昇した。酸素消費量もCH19Sweet投与群で有意に増加した。マウスを用いた実験でも顕著な体温上昇が観察され、バニロイド受容体のアンタゴニストであるカプサゼピンの前投与によって抑制された。 5週齢Std ddYマウス雄にカプサイシンおよびカプシエイトをそれぞれ10mg/kg、対照としてvehicleを2週間、毎日胃チューブで投与した。カプサイシンおよびカプシエイトを投与したマウメは、腎周囲脂肪組織および副精巣周囲脂肪組織の重量が有意に低下していた。 これらの結果より、辛くないトウガラシより得られたカプシエイトはカプサイシンと同様に熱産生の高進、酸素消費量の増加、体脂肪蓄積の抑制などの生理作用を有することが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 大貫宏一郎: "CH-19 Sweet, a non-pungent cultivar of red pepper, increased baby temperature and oxygen consumption in humans"Biosci. Biotechnol. Bichem.. 65. 2033-2036 (2001)
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[Publications] 大貫宏一郎: "CH-19 Sweet, a nonpungent cultivar of red pepper, increased boby temperature in mice with vanilloid receptors stimulation by capsiate"J. Nutr. Sci. Vitaminol.. 47. 295-298 (2001)
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[Publications] 大貫宏一郎: "Capsaicin increases modulation of sympathetic nerve activity in rats : Measurement using power spectral analysis of heart rate fluctuations"Biosci. Biotechnol. Bichem.. 65. 638-643 (2001)