2000 Fiscal Year Annual Research Report
検定林レス次代検定法によるマツノザイセンチュウ抵抗性クロマツクローンの抵抗性評価
Project/Area Number |
12556024
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白石 進 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70226314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 文彦 福岡県, 森林林業技術センター, 専門研究員
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Keywords | 林木育種 / DNA分子マーカー / 親子鑑定 / 父親鑑定 / 育種戦略 / 父性遺伝マーカー / 葉緑体DNA / マイクロサテライトDNA |
Research Abstract |
針葉樹の葉緑体DNAが父性遺伝する特性を利用して、親子鑑定において父親(花粉親)を特定するためのDNA分子マーカーの開発を進めた。その概要は次の通りである。 1.葉緑体DNAの中で、変異性が高いと思われる遺伝子間スペーサー領域約9,400塩基対の塩基配列をクロマツ16個体で決定し、種内個体間の変異性を評価した。その結果、3箇所で一塩基多型(SNP:single nucleotide polymorphism)が発見された。今回、塩基配列分析を行った領域は、全葉緑体DNAゲノムの7.8%にあたり、今後、さらに調査することにより、新たな変異が多数存在していることが予想される。 2.葉緑体DNA内に散在するSSR(simple sequence repeats)変異を17個体を用いて調査した。調べた12箇所のSSR領域のうち、4箇所で合計12種類の変異が確認された。さらに、これらのSSR変異を効率的に分析するために、Multiplex-PCR法の最適化を行った。 3.上記1と2の結果から、これまで、葉緑体DNAでは種内変異がほとんどないとされてきたが、かなりの変異を内在させていることが認められた。このことから、葉緑体DNAが個体識別マーカーとしても利用できる可能性が示された。 4.葉緑体DNAを父親鑑定マーカーとして利用するためには、その父性遺伝の完全性を確認しておくことが不可欠である。このために、葉緑体DNAハプロタイプを異にする個体間の人工交配(20交配組合せ)を行った。
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[Publications] 清藤城宏: "山梨県ヒノキ採種園における鰍沢5号の花粉親としての寄与"日本林学会誌. 82. 105-108 (2000)
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[Publications] 清藤城宏: "葉緑体DNAマーカーを用いたヒノキにおける選択受精の検討"日本林学会誌. 82. 380-383 (2000)
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[Publications] 渡辺敦史: "ITS領域を利用したマツ属・ヒノキ属植物における雑種識別"日本林学会九州支部研究論文集. 53. 57-58 (2000)