2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12556030
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山内 晧平 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (10109514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 猛 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教授 (00261339)
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Keywords | エレクトロポレーション / 遺伝子導入 / 再集合共存培養 / イトウ / ウナギ / 精巣器官培養 / 11-ケトテストステロン / エストラジオール-17β |
Research Abstract |
ウナギ精巣の各細胞に外来遺伝子を導入する手法の開発を試みた。コラゲナーゼ/ディスパーゼ処理により、ウナギ精巣から精原細胞とセルトリ細胞を主とした精巣体細胞を分離し、これらを再び集合させ、精原細胞・精巣体細胞再集合体を作製した。この再集合体に対し、オワンクラゲ由来のGreen Fluorescent Protein(GFP)遺伝子をエレクトロポレーション(EP)法により導入した。EP法により再集合体に導入されたGFP遺伝子は、蛍光顕微鏡により全体の約30%の細胞にその発現が観察され、更にウエスタンブロット解析によりGFP抗体で染色されるバンドが確認された。以上より、EP法による精巣細胞への外来遺伝子導入法が確立された。 親魚養成期間が5〜7年と長いサケ科魚のイトウ(Hucho perri)の精巣器官培養技術の確立を試みた。精原幹細胞のみを持つ未熟なイトウ雄より摘出した精巣を、ウナギの精子形成誘起雄性ホルモン : 11-ケトテストステロン(11-KT)、または精原幹細胞再生分裂誘導雌性ホルモン : エストラジオール-17β(E2)を添加した培養液で、浮上法により培養した。その結果、E2の添加により精原幹細胞の再生分裂が、11-KTの添加により、減数分裂へ向かう精原細胞の増殖分裂がそれぞれ誘導された。以上より、サケ科魚でもウナギと同様E2は精原幹細胞の再生分裂の制御に、11-KTは精原細胞の減数分裂へ向かう増殖分裂の制御に関わることが明らかとなった。しかしながら、ウナギでは11-KTの処理により減数分裂以降の精子形成も誘導されるのに対し、イトウでは11-KTの処理のみでは、減数分裂以降の過程を誘導することができなかったことから、本培養の条件は必ずしもイトウの精巣には適していないことが示唆された。今後は、更にイトウ精巣の培養に適した条件の検討が必要と考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T. Miura: "cDNA cloning of spermatogenesis relating substances and the analysis of their functions in Japanese eel"Perspectives in Comparative Endocrinology. 969-976 (2001)
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[Publications] M. A. Amer: "Involvement of sex steroid hormones in the early stages of spermatogenesis in Japanese huchen (Hucho perryi)"Biol. Reprod.. 65. 1057-1066 (2001)
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[Publications] T. Miura: "Japanese eel : a model for analysis of spermatogenesis"Zool. Sci.. 18. 1055-1063 (2001)
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[Publications] C. Miura: "PCNA protein expression during spermatogenesis of the Japanese eel (Anguilla japonica)"Zool Sci.. 19. 87-91 (2002)