2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12556030
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山内 晧平 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (10109514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 猛 愛媛大学, 農学部, 教授 (00261339)
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Keywords | 精巣器官培養 / 生殖腺刺激ホルモン / ステロイドホルモン / 精子形成 / ウナギ / 生殖細胞 / セルトリ細胞 / 細胞間相互作用 |
Research Abstract |
新たな試験管内精子形成誘導技術を開発するため、ウナギ精巣の器官培養系を用いて生殖腺刺激ホルモンの一種である濾胞刺激ホルモン(FSH)の精子形成における働きについて詳しく解析した。酵母で生産されたウナギリコンビナントFSHを添加してウナギ精巣片を培養したところ、精原細胞の増殖から精子変態に至る一連の精子形成が誘導された。次に、ステロイド生成において重要な酵素である3β-水酸基脱水素酵素の阻害剤であるトリオスタンをFSHと同時に添加して精巣片を培養したところ、FSHによる精子形成の誘導が阻害された。しかし、これに精子形成誘導ステロイドである11-ケトテストステロンを加えると精子形成の進行は回復した。以上の結果から、FSHにより精子形成の全過程が誘導されること、そしてこのFSHによる精子形成の誘導は直接的ではなくステロイドホルモンの産生を介していることが明らかとなった。このように精子形成におけるFSHの作用が初めて明確に示され、試験管内精子作製技術を確立するための重要な知見が得られた。 魚類の試験管内精子作製技術の可能性をさらに拡げるため、単離したウナギ生殖細胞を用いた新しい試験管内精子作製法の構築を試みた。その結果、精子形成にはセルトリ細胞の存在が必須であること、さらに精子形成の進行には生殖細胞とセルトリ細胞の3次元的な結合が必須であることが明らかになった。以上のように、単離した生殖細胞を用いて試験管内で精子を作製するためには、セルトリ細胞と生殖細胞を共存させる必要があることが初めて示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Miura: "Complementary deoxyribonucleic acid cloning of spermatogonial stem cell renewal factor."Endocrinology. 144(12). 5504-5510 (2003)
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[Publications] T.Higashino: "Effect of two sex steroid hormones on early oogenesis in Japanese huchen (Hucho perryi)."Fish Physiol.Biochem.. (印刷中). (2003)
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[Publications] T.Miura: "Eel Biology"Springer-Verlag Tokyo. 497 (2003)