2000 Fiscal Year Annual Research Report
サケ成長ホルモンによるアワビの成長促進と成長促進機構の研究
Project/Area Number |
12556033
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
川内 浩司 北里大学, 水産学部, 教授 (70050523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 俊介 北里大学, 水産学部, 講師 (50222352)
高橋 明義 北里大学, 水産学部, 助教授 (10183849)
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Keywords | 成長ホルモル / アワビ / ヤツメウナギ / cDNAクローニング / 取り込み / 成長ホルモン抱埋ペレット / 脳神経節 |
Research Abstract |
本研究は、アワビ稚貝の成長がサケ成長ホルモンにより促進されるという発見を基に、サケ成長ホルモン抱埋ペレットを作成し、成長ホルモンの取り込みおよび成長促進効果を検討した。また、アワビの成長ホルモン様遺伝子をクローニングするために、円口類ヤツメウナギの成長ホルモンcDNAをクローニングすると共に、アワビの成長ホルモン様タンパク質とそのcDNAを検索した。 サケ下垂体から調製した成長ホルモン溶液を市販の配合飼料に浸した後、2%アルギン酸溶液でコートした。これを3%塩化カルシウム溶液で処理して凝固させたサケ成長ホルモン抱埋ペレットを作成した。このサケ成長ホルモン抱埋ペレットをアワビ稚貝に摂餌させると、12時間目の体液中にサケ成長ホルモンが検出された。現在、サケ成長ホルモン抱埋ペレットをアワビ稚貝に1週間毎に摂餌させて成長促進効果を検討している。 ヤツメウナギ下垂体から調製したcDNAを鋳型として、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、成長ホルモンcDNAをクローニングした。成長ホルモンcDNAは1992塩基、成熟タンパク質は181アミノ酸残基からなる。成長ホルモンのアミノ酸は既知の成長ホルモンに対して19%〜23%の相同率を示した。この成果を第4回魚類内分泌学国際シンポジウム(シアトル・8月)で発表した。 アワビ脳神経節から調製したcDNAを鋳型として、既知の成長ホルモンの配列を基に縮中プライマーを作成し、PCRにより、魚類の成長ホルモンのC末端部の構造に類似するcDNA断片をクローン化した。現在、このcDNAの5′末端領域のcDNAのクローニングを行っている。また、アワビ脳神経節からサケ成長ホルモン抗体と反応するタンパク質を分離した。このタンパク質のN末端部の配列はサケ成長ホルモンに対して18残基中6残基相同であった。現在、得られた配列を基に縮中プライマーを作成し、cDNAのクローニングを行っている。
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[Publications] Sower,S.A.and Kawauchi,H.: "UPDATE : Brain and Pituitary Hormones of Lampreys."Comp.Biochem.Biophys.. (印刷中). (2001)
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[Publications] 川内浩司: "無顎類から顎口類への脳下垂体成長ホルモンの進化"感性福祉研究所年報 2号. (印刷中). (2001)