2000 Fiscal Year Annual Research Report
ポリセオナミドモチーフに基づいた細胞膜指向性ナノチューブの開発と応用
Project/Area Number |
12556034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松永 茂樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60183951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
老木 成稔 福井医科大学, 医学部, 教授 (10185176)
村松 郁延 福井医科大学, 医学部, 教授 (10111965)
伏谷 伸広 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70012010)
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Keywords | 海綿 / ペプチド / 構造解析 / アミノ酸 / polytheonamide / 電気生理 / イオンチャネル |
Research Abstract |
1.沖縄県慶良間列島産のT.swinhoeiにpolytheonamide類が高濃度で含まれるとの情報が得られたため、当地において、150キログラムのT.swinhoeiを採集した。一方、伊豆八丈島では90キログラムを採集した。慶良間産海綿から、含水アルコール抽出、溶媒分画、ゲル濾過および逆相液体クロマトグラフィーなどを経て既知のpolytheonamideA_Cをそれぞれ約200ミリグラム単離した。本実験により、慶良間産のT.swinhoeiもpolytheonamideのよい供給源となることが明らかになった。 2.Polytheonamide Bの全アミノ酸の立体化学を決定するために、44番目のアミノ酸として予想されていたγ-dimethylamino-t-Leuを化学合成した。パントラクトンを出発原料として、α-位のアミノ化およびγ-位のジメチルアミノ化を経て光学活性体を合成することを計画した。α-位については、ラクトン環を開いた後にメシル化した水酸基をアジド化することにより、アミノ化できた。一方、γ-位に脱離基を導入すると速やかにラクトン化が進行するため、窒素官能基化はできなかった。そこで、3-methyl-2-oxo-butanoic acidにマンニッヒ反応により、ジメチルアミノ基を導入後、シッフ塩基の還元でアミノ化を行うという計画を立て、予定通りにアミノ酸の標品を得ることができた。しかしながら、得られたアミノ酸はpolytheonamide中の44残基目のアミノ酸と異なる化学的性状を示したため、polytheonamide類の化学構造を再検討する必要が生じた。 3.Polytheonamide Bの心筋に対する作用を電気生理学的および薬理学的に解析した.また,リン脂質平面膜に組み込ませて,形成されたチャンネルのイオン選択性,単一チャネルコンダクタンス,電流電圧特性などを調べた。
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