2000 Fiscal Year Annual Research Report
生体電位計測による接ぎ木苗における活着程度の情報化と活着・順化装置の開発
Project/Area Number |
12556039
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
西浦 芳史 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 講師 (80221472)
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Keywords | 苗生産 / 果樹類接ぎ木 / 電位計測 / 活着診断 / 活着生理 / 情報化 / 順化診断 / 養生装置 |
Research Abstract |
植物電気生理学と言われる分野は,近年に創られたもので完成された学問分野として認知はされていない。しかし,情報機器の発展に伴い,この分野の飛躍的な発展の可能性が大きく期待されている。この分野における研究例は少なくはないが,実用面ではとについたばかりである。一方,最近,需要が飛躍的にのびている果菜類接ぎ木苗の需要に対して,接ぎ木ロボットを一端とした苗生産の自動システム化が開発されつつあり,将来来るべく食糧危機や環境汚染を危惧した植物工場の考え方とともに,植物生産システムの高度オートメーション化が注目されている。このような背景のもとで,植物の生体情報計測は,形態的に顕在化する以前に予測可能となりうる微妙な信号を非侵襲,ダイレクトに行われる必要がある。この意味において生体電位は非常に有用な情報となり得る。本研究で扱う生理は接ぎ木の活着程度で,本研究の目的は生体電位計測を利用した果菜類接ぎ木苗の活着・順化装置の開発である。 初年度は,生体電位計測システムを構築することが主体となる。接ぎ木苗の生体電位を計測するためには,ノイズ遮断と環境設定が重要となるため,まず,計測対象の環境制御箱の製作を行った。次に,生体電位計測のプローブ,アンプ,A/D変換,コンピュータによる記録等の電気回路系を製作する必要があり,これらの設計・製作・検定を行う。その検定にはサップフロー測定システム(茎熱収支法による茎内蒸散流量の連続計測システム)を用いて行った。その他,破壊や侵襲型の活着程度計測法として,物理的結合強度を計測する引張圧縮試験,光合成能力を計測する炭酸ガス濃度分析,吸水・蒸散能力を計測する水耕タイプのライシメータ法などとの比較も行い,検定し,生体電位計測システムが構築できた。
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