2001 Fiscal Year Annual Research Report
光合成などの生理生化学機能診断のためのハイパースペクトル画像計測システムの試作
Project/Area Number |
12556041
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大政 謙次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70109908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 秀則 愛媛大学, 理学部, 教授 (60124682)
沖 一雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (50292628)
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Keywords | 植物 / クロロフィル蛍光 / 画像診断 / 尿素系土壌処理剤 / 光合成 / ハイパースペクトル / 窒素施肥 / LIFイメージング |
Research Abstract |
前年度までに試作したクロロフィル蛍光画像計測システムを用いて、尿素系土壌処理剤がin situの植物に与える光合成機能障害の早期診断を行った。インダクション法と飽和パルス法の併用により、光合成電子伝達系における電子伝達阻害力所の特定と障害程度の数値評価が可能であることが示された。また、尿素系土壌処理剤は、in situの植物に対する長時間処理でも、葉柄から除草剤の希釈溶液を急激に吸収させた場合と同様に、尿素系成分による電子伝達系阻害が主な殺草作用として有効であることがわかった。さらに、診断の過程で、葉柄から切断したインゲンマメ葉を用いた場合にはみられなかった、進行途中の光合成機能障害や、気孔閉鎖を伴わない光合成速度低下など、in situの植物に特徴的な現象を検知できた。これは、in situを実験材料とし、実際の除草剤の使用状況を再現して光合成機能の診断を行うことの意義を確認するものであった。また、市販の装置を用いて、Yieldを測定し光合成速度を簡単に求める方法が注目されているが、本研究において、YieldはCO_2固定速度の指標にならない場合があることが確認された。 一方、前年度までに試作したハイパースペクトル画像計測システムを用いて、窒素施肥量が異なる土壌で生育させたコムギの診断を行った。その結果、窒素施肥の違いによりクロロフィル含有量の違いがみられ、この違いがハイパースペクトル画像で診断できた。さらに、ハイパースペクトル画像計測システムによるLIFイメージングの基礎データを得る目的で、水ストレスに対する励起-蛍光スペクトルの解析を行った。現在、結果を解析中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 大政謙次他: "除草剤による植物の光合成機能障害の画像診断-クロロフィルa蛍光解析におけるインダクション法と飽和パルス法の比較"植物工場学会誌. 13. 29-37 (2001)
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[Publications] 高山弘太郎, 大政謙次: "除草剤による植物の光合成機能障害の画像診断-尿素系土壌処理剤がin situのキュウリ葉に与える影響の解析"植物工場学会誌. 13. 247-253 (2001)
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[Publications] 大政謙次: "植物の形状と機能の非破壊画像計測に関する研究"生物環境調節. 39. 321-324 (2001)
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[Publications] K.Omasa, et al.: "Analysis of effects of abscisic acid on Cucumis sativus. L. leaves using c hlororophyll fluorescence imaging and thermal imaging"Proc. 12^<th> Int. Cong. on Photosynthesis. (In press). (2002)
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[Publications] K.Takayama, K.Omasa: "Comparison of the induction method with the saturation pulse method in chlorophyll fluorescence imaging"Proc. 12^<th> Int. Cong. on Photosynthersis. (In press). (2002)
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[Publications] R.Endo, K.Omasa: "Microscopic image instrumentation of chlorophyll a fluorescence from in situ microalgae Closterium moniliferium"Proc. 12^<th> Int. Cong. on Photosynthesis. (In press). (2002)
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[Publications] K.Omasa, et al.: "Image instrumentation of chlorophyll a fluorescence for diagnosing photosynthetic injury. In Air Pollution and Plant Biotechnology"Springer. 287-308 (2002)