2000 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入による越年性牧草の耐寒性、耐病性向上のための基礎研究
Project/Area Number |
12556044
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
竹澤 大輔 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (20281834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 修二 北海道大学, 酪農学園大学, 助教授 (50204194)
荒川 圭太 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (00241381)
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Keywords | 耐寒性 / 耐病性 / 雪腐病 / トランスジェニック植物 |
Research Abstract |
本研究においては、遺伝子工学的手法によって植物に凍結耐性を付与するとともに、雪腐病など、冬期に積雪下で発生する雪腐れ病抵抗性を持つ植物の作出を目的とし、マメ科牧草アルファルファをモデルシステムとして実験を進めている。12年度は、アンチフリーズタンパク質、抗菌タンパク質と相同性のある冬小麦タウマチン様タンパク質WAS-3を春小麦形質転換細胞の発現系を用いて精製し、その氷核形成阻害活性と雪腐れ病菌に対する抗菌活性を測定した。結果、氷核形成阻害活性は認められなかったが、雪腐れ病菌Microdochium nivaleに対してはその菌糸の成長を効果的に阻害した。また、幅広い植物種に対して病原性を持つFusarium属に対して高い抗菌活性を示すことが明らかとなった。この結果をふまえて、WAS-3タンパク質をアルファルファにおいて過剰発現させるために、アグロバクテリウムを用いて形質転換を開始した。アルファルファは、日本で栽培されている品種を用いた形質転換系が確立されていないため、カナダ産の2品種、RamblerとBeaverおよびアメリカ産のRegen SYを入手し、アグロバクテリウムの感染を行った。現在までにおよそ50個のカナマイシン耐性カルスが得られている。また、今年度はさらに雪腐れ病菌由来のエリシターによって誘導されるカルシウム結合タンパク質CCD-1遺伝子を単離した。このようなカルシウム結合タンパク質は、病気抵抗性の発現に関与するPRタンパク質の発現を制御している可能性があり、アルファルファへ遺伝子導入を計画している。
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