2001 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞由来の血中アディポサイトカインを指標にした動物体脂肪の測定法の開発
Project/Area Number |
12556047
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
斉藤 昌之 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (80036441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本庄 勉 (株)森永生科学研究所, 製造開発部長(研究職)
木村 和弘 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (30192561)
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Keywords | 体脂肪 / レプチン / アディポサイトカイン / イヌ / ネコ / cDNA / ELISA / 肥満 |
Research Abstract |
アディポサイトカインとは脂肪細胞で合成され血中に分泌されるタンパク質の総称である。本研究の目的は、血中に存在するアディポサイトカインによって伴侶動物と家畜の体脂肪を簡便にかつ定量的に測定する方法を確立し利用することである。代表的なアディポサイトカインであるレプチンについて、昨年度にイヌのレプチンcDNAをクローニングし抗体を利用した免疫学的測定法ELISAを開発したので、本年度は、これを用いて血中レプチンと体脂肪・肥満との関係を解析し、以下の成果を得た。 1、20頭のビーグル犬に高カロリー食を与えて長期間飼育した後、血中レプチン濃度を測定したところ、別に重水希釈法で求めた体脂肪含量と高い正の相関(相関係数0.920)を示した(Am.J.Vet.Res.に発表)。 2、様々な犬種、性別、年齢の59頭の臨床例について調べたところ、適性体重群における血中レプチン濃度(2.7±0.3ng/ml)に較べて、過体重あるいは肥満群ではそれぞれ9.7±0.7ng/ml、12.3±1.5ng/mlと、何れも有意に高値であった。しかし、性別や年齢による差異は認められなかった(J.Vet.Med.Sci.に発表予定)。 これらの結果から、血中レプチンがイヌの体脂肪量を反映する良い指標であり、犬種や性別、年齢に拘わらずに肥満度の定量的評価に利用出来ることが明らかになった。更にネコレプチンについてもcDNAクローニングを終えたので(J.Vet.Med.Sci.に発表)、同様に測定法を開発する予定である。
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[Publications] Sasaki, N. et al.: "cDNA cloning of feline leptin and its mRNA expression in adipose tissue"J.Vet. Med. Sci.. 63. 1115-1120 (2001)
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[Publications] 石岡 克己 他: "特異的ELISA法によるイヌ血中レプチン濃度の測定と肥満における変動"獣医生化学. 38. 35-41 (2001)
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[Publications] Sagawa, M. M. et al.: "Enzyme-linked immunosorbent assay of plasma leptin in dogs : a highly positive correlation to body fat content"Am. J. Vet. Res.. 63. 7-10 (2002)