2001 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母のオルガネラ輸送シグナルを用いた異種タンパク質生産システムの構築と実用化
Project/Area Number |
12556061
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
竹川 薫 香川大学, 農学部, 助教授 (50197282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜 祐子 旭硝子, 中央研究所, 首席研究員
阪井 康能 京都大学, 農学研究科, 助教授 (60202082)
木村 義雄 香川大学, 農学部, 助教授 (10243750)
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Keywords | 分裂酵母 / 異種タンパク質 / オルガネラ / 糖タンパク質 / 輸送シグナル / 物質生産 |
Research Abstract |
竹川(代表者)らは分裂酵母の異種タンパク質発現系を構築する際に最も大きな問題である糖タンパク質糖鎖部分の構造と機能解析を行った。分裂酵母は出芽酵母では見られないガラクトース含有糖鎖を生産する。しかしながら最近の研究から分裂酵母のガラクトース鎖はアルファ結合で糖鎖に結合しているために高等動物には強いアレルギーを引き起こす可能性があることがわかってきた。そこで分裂酵母のガラクトース鎖欠損変異株の取得を試みた結果、gms1と名付けた遺伝子を破壊することで完全にガラクトース鎖の欠損した分裂酵母を初めて作りだすことができた。gms1破壊株は種々の薬剤に強い感受性を示したり、胞子形成過程に異常を生じることから分裂酵母のガラクトース鎖の機能を明らかにすることができた。その他、種々の分裂酵母糖鎖合成欠損株を取得することに成功し、現在旭硝子の浜(分担者)により異種タンパク質の生産条件について検討が行われている。また阪井(分担者)らはメタノール資化性酵母Pichiaのペルオキシソームが液胞へと輸送されて分解する過程について解析を行い、ペルオキシソームが液胞で分解されないpaz変異株を取得した。これらのpaz遺伝子の中には出芽酵母で液胞タンパク質輸送に必須な遺伝子として取得されたVPS遺伝子や自食作用に必須な遺伝子であるAPG遺伝子などが含まれていることを明らかにした。2002年の2月に分裂酵母の全ゲノムが報告され出芽酵母のタンパク質輸送に必須な遺伝子が分裂酵母にもほとんど存在することが明らかになった。そこで現在、分裂酵母のVPS遺伝子やAPG遺伝子と相同性の高い遺伝子を破壊することで、分裂酵母と他の酵母とのこれらの遺伝子の機能について比較検討を行っている。
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[Publications] Naotaka Tanaka, 他: "Functional Characterization of Gms 1p/UDP-Galactose Transporter in Schizosaccharomyces pombe"Yeast. 18・8. 745-757 (2001)
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[Publications] Naotaka Tanaka, 他: "Characterization of a Schizosaccharomyces pombe Mutant Deficient in UDP-Galactose Transport Activity"Yeast. 18・10. 903-914 (2001)
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[Publications] Naotaka Tanaka, 他: "Biosynthetic pathway and physiological role of galactose-containing oligosaccharides in fission yeast Schizosaccharomyces pombe"Trends Glycosci. Glycotechnol. 13・73. 519-532 (2001)
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[Publications] Hirofumi Horiguchi, 他: "Antioxidant system within yeast peroxisome : Biochemical and physiological characterization of CbPmp20 in the methylotrophic yeast Candida boidinii"J. Biol. Chem.. 276・17. 14279-14288 (2001)
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[Publications] Hirofumi Horiguchi, 他: "Peroxisomal catalase in the methylotrophic yeast Candida boidinii. Transport efficiency and metabolic significance"J. Bacteriol. 183・21. 6372-6383 (2001)
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[Publications] Hiroyuki Mukaiyama, 他: "Paz2 and 13 other PAZ gene products regulate vacuolar engulfment of peroxisomes during micropexophagy"Genes Cells. 7・1. 75-90 (2002)