2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12557001
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 豊士 名古屋大学, 医学部, 教授 (50115929)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向後 寛 名古屋大学, 医学部, 助手 (20282387)
|
Keywords | カベオラ / カベオリン-1 / カベオリン-2 / 脂肪滴 |
Research Abstract |
カベオリン-1,2はヘテロオリゴマーを形成し,カベオラの構造と機能の基盤を形成する膜蛋白質である.これらの分子の基本的性質を明らかにする目的で実験を行い,以下のような結果を得た. 1)カベオリン-1のアイソフォーム(α,β)は,従来,同一のmRNAから翻訳開始点の違いによって生じると考えられていた.ESTデータベースを検索,βアイソフォームだけを産生するmRNA(5'バリアント)を見出した.5'バリアントは多くの細胞において,従来から知られていたmRNA(FL)とほぼ同じ程度に発現しており,カベオリン-1のアイソフォームの量比が転写レベルで制御されていることを示唆した. 2)カベオラを持たない培養細胞にカベオリン-1を発現させると,αアイソフォームはβアイソフォームに比較してより多くの陥凹を形成したが,陥凹形成の効率は低かった.カベオリン-1,2の両方を共発現する細胞ではカベオリン-1が単独で発現する場合に比較して,深い陥凹がはるかに効率的に形成された.この結果はカベオリン-2がカベオラの陥凹形成に関与していることを示唆した. 3)カベオリン-2あるいはEGFP・カベオリン-2の融合蛋白質を内在性カベオリンを持たない細胞に発現させると,細胞質に存在する脂肪滴の外層に沿ってパッチ状に分布した.一方,N末,C末,疎水性部分を欠失する変異分子は脂肪滴には局在しなかった.これらの結果はカベオリン-2が形質膜,ゴルジとともに脂肪滴にも局在しうる分子であることを示し,カベオラ形成以外の役割を持つ可能性を示唆する.
|
-
[Publications] Kogo,H.and.Fujimoto: "Caveolin-1 isoforms are encoded by distinct mRNAs, Identification of mouse caveolin-1 mRNA variants caused by alternative transcription initiation and splicing."FEBS letter. 465. 119-123 (2000)
-
[Publications] Fujimoto,T.,H,Kogo,R.Nomura,and T.Une: "Isoforms of caveolin-1 and caveolar structure."Journal of Cell Science. 113. 3509-3517 (2000)