2001 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスと非侵襲的イメージング法を用いた創薬科学の新展開と応用
Project/Area Number |
12557007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷内 一彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50192787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 錬 東北大学, 大学院・工学部研究科, 助教授 (60143038)
伊藤 正敏 東北大学, サイクロンRIセンター, 教授 (00125501)
櫻田 忍 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (30075816)
藤井 敏彦 大日本製薬(株), 開発研究所長
旗野 健太郎 国立長寿医療研究センター, 室長 (50228475)
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Keywords | ノックアウトマウス / 痛みの受容 / ヒスタミン / モルヒネ / PET / carbn-11 / ヒスタミンH_1,H_2受容体 / ダブルノックアウトマウス |
Research Abstract |
純系とダブルノックアウトマウスの作成:H1、H2受容体ノックアウトマウスをC57B系マウスに交配し、さらに両方のマウスをかけ合わせてヒスタミンH1,H2受容体ダブルノックアウトマウスを作成した。ヒスタミンH1、H2受容体とそのダブルノックアウトマウスは自発運動量の変化など基本的な性質はm受容体ノックアウトマウスと同じであった。 ノックアウトマウスを用いた薬理学的研究:ヒスタミン神経系の機能分子であるH1、H2受容体ノックアウトマウスを用いた薬理学的研究:ヒスタミン神経系の機能分子であるH1、H2受容体のノックアウトマウスを用いて、薬理学的あるいは神経科学的な研究をおこないヒスタミンの生理機能を明らかにした。特に痛み反応におけるヒスタミンH1,H2受容体の役割とモルヒネの鎮痛効果におけるヒスタミンの役割を明らかにした。ヒスタミンはH1受容体を介して痛みの受容を促進している。モルヒネは肥満細胞あるいはヒスタミン神経からヒスタミンを遊離させて鎮痛効果を減弱させていることがわかった。臨床的にモルヒネと抗ヒスタミン薬の併用が強い鎮痛効果を発揮することがノックアウトマウスを用いて証明された。同様にm受容体ノックアウトマウスを用いて、1)呼吸機能におけるH1受容体の役割を明らかにし、2)H1受容体を介するセロトニン遊離抑制メカニズムを脳切片による遊離実験から明らかにした。 動物3次元PET法のノックアウトマウスヘの応用:新しいポジトロン標識合成法、新規化合物のポジトロン放出核種による標識化を行い、動物PETを用いて小動物の機能を非侵襲的に調べる方法を確立することを試みた。a)gas-phase法により作成された11C一ヨウ化メチルから11C一メチルトリフレートの合成とそれを用いた11C一標識薬剤の開発。b)^<18>F標識フルオロベンジル誘導体の開発を行った。動物用PETは東京都老人総合研究所の動物用PETを試験的に使用したが感度と分解能が悪く、脳スライスを用いたインピトロPETを開発してそれによりノックアウトマウスヘ応用することにした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] J.I.Mobarakeh, K.Yanai et al.: "Enhanced antinocicoption by intrathecally-administerel morphine in his taminak H,receptor gene knockout micl"Neuro pharmacology. in press. (2002)
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[Publications] R.Iwata, K.Yanai, et al.: "A combined loop-SPE method for the automated proportion of["C] doxepin"J.Labelled Cpd. Radiopharm. 45. 271-280 (2002)
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[Publications] M.Tagawa, M.Kano, et al.: "Differential cognitive effects of ebostine and d-chlorpheniramine in healthy subjects"Bn. J.Clin. Pharmacol. in press. (2002)
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[Publications] M.Tagawa, M.Kano, et al.: "Newoimazing of histamine H,recoptor occupancy in human brain, by positron emission tomography"Bn. J.Clin. Pharmacol. 52(5). 501-509 (2001)
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[Publications] M.Endou, K.Yanai, et al.: "Food-deprived activity stress decreased the activity of the histaminergic neuron system in rats"Brain Research. 891. 32-41 (2001)
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[Publications] R.Iwata, K.Yanai, et al.: "A simple loop method for the automated preparation of ["C]raclopride from ["C] methyl triflate"Applied Radiation Isotopes. 55. 17-22 (2001)
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[Publications] Takahiko Watanabe, Henk Timmerman, Kazuhiko Yanai: "Histamine Research in the New Millennium"Amsterdam, Elsevier Science B.V. 521 (2001)