2000 Fiscal Year Annual Research Report
生化学的見地からみた細胞膜電位記録の簡便化及び二次元可視化の開発
Project/Area Number |
12557016
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
内匠 透 神戸大学, 医学部, 講師 (00222092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 達也 サントリー生物医学研究所, サブプロジェクトリーダー
真鍋 俊也 神戸大学, 医学部, 教授 (70251212)
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Keywords | 膜電位 / 電位感受性色素 / ニューロン |
Research Abstract |
神経科学研究は、単一シナプス解明の段階を経て、今や多ニューロン間ネットワークの相互機能を解析する時代を迎えている。神経興奮が脳機能の源である以上、生化学者といえども脳研究を行う上で、電気現象を的確にとらえることが不可欠であるが、これまでの電気生理学は、急速に多分野に浸透していった遺伝子工学に比べ、明らかに特殊な領域であった。本研究は、生化学的見地から、定型的電気生理学を用いることなく、生体(細胞)電気信号を検知する非接触型電位計測プローブ(リモートセンサープローブ)を開発するとともに、電位感受性色素やイメージングシステムを組み合わせて、脳スライスの記録をし、従来の電気生理学的解析結果との比較対照を行うことにより、新しいニューロンの機能解析系を構築することを目的とする。 本年度は、電気生理学的解析及び電位依存性色素の利用のためのシステムを構築するとともに、マウス海馬CA1,CA3におけるLTP記録を行い、その薬理学的調節機構を明らかにした。一方、多電極記録法を用いた細胞外記録を行うために、マルチチャンネル細胞外記録システムによる海馬におけるLTP記録に成功した。 本研究に用いるシステムは機械(ロボット)化が可能であり、単に基礎医学にとどまらず、化合物の網羅的スクリーニング等、創薬、産業化にも貢献すると期待される。また、電位感受性色素を用いたシステムでは、単に細胞レベルの測定に留まらず、進歩したイメージングシステムを組み合わせることにより、例えば、脳内ニューロンの興奮の二次元的可視化が可能になり、多ニューロン間の相互作用の解析を行うことができると推察される。
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[Publications] Prevot,V. et al.: "Evidence that members of the TGF_β superfamily play a role in regulation of the GnRH neuroendocrine Axis"J.Neuroendocrinol.. 12. 665-670 (2000)
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[Publications] Ohyama,H. et al: "Inhibition of cardiac delayed rectifier K^+ currents by an antisenses oligcdeoxnudeofide against lsk and overexpression of lsk mutaut"Eur.J.Physiol.. (in press).
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[Publications] Takumi,T.: "Rapid cDNA cloning by PCR screening"Methods Mol.Biol.. (in press).