2001 Fiscal Year Annual Research Report
線虫を用いた残留ダイオキシン類の低減化システムの確立
Project/Area Number |
12557033
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
蔵崎 正明 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (80161727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 敏幸 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 助教授 (00157025)
伊藤 敬三 (株)フロンティア・サイエンス, 技術研究所, 所長(研究職) (40213037)
齋藤 健 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40153811)
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Keywords | ダイオキシン / 測定系の構築 / 分解系の構築 / CYP1A1転写制御領域 / 環境ホルモン / 白色腐朽菌 / 枯草菌 |
Research Abstract |
近年、内分泌撹乱化学物質の一種であるダイオキシン類による環境汚染は、ヒトの発癌性の増加および催奇形成の原因と考えられており、さらに世代を超えた影響をもたらす恐れがあることから、深刻な社会問題になりつつある。本研究においては、環境中に汚染されたダイオキシンの低減、特にその修復が難しといわれている土壌中ダイオキシンの分解を遺伝子組換え体を利用して行うシステムを確立することを目的とした。昨年度はダイオキシン分解の可能性のある酵素6種の遺伝子を枯草菌および白色腐朽菌からクローニングし全塩基配列を決定した。また、レポーターアッセイ系確立のためにCYP1A1遺伝子のプロモーター領域をPCR法にて得、GFP遺伝子と結合させてダイオキシン様物質に応答することを確認した。本年度はこれらの成果の上にダイオキシン分解酵素の発現系を構築し、ダイオキシン測定系の確立を目指すためにレポーターアッセイ系の実用化を目指す。 当該年度において ダイオキシン分解酵素発現系の構築 昨年度クローニングした白色腐朽菌由来、および枯草菌由来のダイオキシン分解酵素遺伝子全長クローン6種をそれぞれ大腸菌発現ベクターに組込みそれぞれの酵素を得、ダイオキシン分解能を調べた。その結果枯草菌由来の過酸化酵素の1種にダイオキシン分解能が認められた。この遺伝子の培養細胞系での発現系を現在構築中である。 レポーターアッセイ系の確立 昨年度構築したダイオキシン応答性レポーター遺伝子を肝癌細胞株にトランスフェクトし、ダイオキシン量に比例してGFPの発現が起こるように調製し、現在fmolからpmolオーダーでの検量線の直線性が確かめられ、その再現性も良好であることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 蔵崎正明: "培養細胞を用いた環境ホルモンの生体影響評価法の構築"ガイア. 5. 3 (2001)
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[Publications] Yamanoshita, O. et al.: "2,4,5-Trichlorophenoxyacetic acid inhibits apoptosis in PC12 Cells"Life Sciences. 69. 403-408 (2001)
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[Publications] Kurasaki, M. et al.: "A developed method of terminal deoxynucleotidyl transferase system for quantification of DNA damage caused by apoptosis"Analytical Sciences. (In press).
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[Publications] Saito., T, Kurasaki, M.: "Apoptosis and endocrine disrupters"Biomedical Research. 21. 353-359 (2000)
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[Publications] Hosokawa, T. et al.: "Effect of tributyltin on apoptosis in PC12 cells"Society for neuroscience Abstracts. 27. 109 (2001)
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[Publications] 齋藤 健, 蔵崎正明 他: "微量化学物質による中枢神経障害の評価"日本内分泌撹乱物質学会ニュース. 3 (4). 4 (2001)